株式投資の本質

株式投資が初めての方や、始めたけれど内容が良くわからない方向けの
「株式投資の予備知識」のコンテンツ(2)「株式投資の本質」となります。

前回のコンテンツ(1)「株式の本質と役割」では、株式自体について掘り下げました。

今回は、株式を対象とした「株式投資」という行為について、何を意味しどの様な
意義があるのかについて、考えて行きたいと思います。

  株式投資の意味とは

はじめに、「株式投資」にはどの様な意味があるのかを考えてみます。

株式投資の意味を探るため、そのメリットとデメリットを整理してみます。

株式投資では、特定の株式会社が発行する株式に出資します。

コンテンツ(1)「株式の本質と役割」において、下記の通り記載しました。

 ・株式会社への出資とは、会社に資金を提供して株式を取得することを指す。

 ・株式会社への出資者は、財産的な価値を伴う権利である株式を保有する。
 ・株式会社への出資者を、株主と呼ぶ。
 ・株主は、出資した範囲内で債務責任を負う。
 ・株主は、会社の経営を経営者に任せる。

 ・出資者から供与された資金は、会社の純資産として組込まれる。
 ・出資者から供与された資金は、会社が存続する限りは永久に返済する必要がない。

つまり、

 ・株式への出資では、株式会社に資金を提供して株式を取得し、株主になります。

 ・株式には財産的な価値があると同時に、出資した範囲内で債務責任を負います。
  また出資した会社の経営には口を挟まず、経営者に一任します。

 ・提供した資金は、会社がある限り永久に返金されません。

と書いていますが、これはどういうことなのでしょうか。

ここまで読んで、皆さんは果たして株式に投資してみたいと思うでしょうか?

メリットとしては、何だか良くわかりませんが「財産的な価値がある」という「株式」
が手に入ること位です。

これとて、どの程度「財産的な価値がある」のかも良く分からず、眉唾ものです。

反面、デメリットとしてはもうハッキリしています。
出資した範囲内で債務責任を負う」「資金は永久に返済されない」と強烈です。

どの程度の財産的な価値があるのかもわからない株式を取得したばかりに、債務責任は
負わされるは、資金は返してもらえないでは、正に踏んだり蹴ったりです。

ここで、仮説を立ててみたいと思います。

もし株式投資に意味あるというなら、即ちそれは下記の状態であるはずです。

 ・メリット >> デメリット

株式に投資して、株主となって株式を保有した結果、上記の状態にならなければ
意味がないという仮説です。

これとは逆に、もし下記の状態であれば株式投資には意味が無いということになります。

 ・メリット << デメリット

次のコーナーからは、この仮説が正しいのかを順を追って検証して行きましょう。

  株主は会社のオーナー

次に、株主は会社のオーナーであるということについて考えてみます。

なぜ、株主は会社のオーナーなのでしょうか。

コンテンツ(1)「株式の本質と役割」から再掲します。

 ・株主は、会社の経営を経営者に任せる。

この記載は、株式投資の一つのポイントになります。
「任せる」とは、つまり株主はどの様な立場なのでしょうか。

株式会社を設立する時は、出資先から資金を調達しその一部を資本金として設定します。
そして、資本金の全部又は一部で株式を発行します。

更に、出資された資金の残りの全部又は一部を開業資金や設備投資資金、人を雇うための
資金等に充当し、会社が事業をスタートします。

ここで資本金は、出資者が会社に提供した資金を基に設定する一定の金額です。
資本金は会社法上の用語ですが、簡単に書くと「会社の基礎となる土台」です。

つまり、出資した証としての「株式」は「会社の基礎となる土台」そのものであり、
それを保有する「株主」は実質的な「会社のオーナー」ということになります。

通常であれば、株主は複数の個人や法人となります。
それぞれの保有株式数に応じた、いわば会社の区分オーナーというところでしょうか。

株式投資は、正に投資先の会社の区分オーナーになるということなのです。

会社のオーナーということは、何を示しているのでしょうか。

それは必然的に、株主の利害と会社の利害は一致するということになります。

つまり、

 ・会社が儲かる = 株主も儲かる
 ・会社が損する = 株主も損する

ということになります。

なぜ、会社が儲かると株主も儲かり、会社が損すると株主も損するのでしょうか。

株式投資では、株主は投資した会社の経営に直接関与することは出来ず、自分達が
選んだ経営者にその経営を任せます。

もし経営者が優秀で、会社の経営が上手く行って軌道に乗り、売り出した商品や始めた
サービスが好評でたくさん売れ出し、利益が出る様になったらどうでしょう。

段々と従業員も増え、オフィスを新しく借りたり、店舗や工場を増やしたり更に新しい
商品やサービスを考え出したり、と会社が成長して行きます。

そうなると、取得した株式の「財産的な価値」が増していくのです。

反対に、経営者の判断が間違っており、売れない商品を大量に作ってしまったり、
サービスの内容が悪かったりして利益が出ないとどうなるでしょうか。

段々と資金繰りに苦しくなって従業員に辞めてもらったり、営業所を縮小や閉鎖したり
ということになり、会社の経営が悪化して行きます。

そうなると、取得した株式のデメリットである「出資した範囲内での債務責任」が
現実味を帯びてくるのです。

会社に出資して株式を取得する「株式投資」は、星の数ほどある株式会社の中から
出資先の会社を選び出し、その経営者に自らの資金を託す行為です。

資金と夢を託した経営者が自分の想定通りに働いて会社が利益を出し、その額が増えて
いく企業に投資することが出来れば、取得した株式は「財産的な価値」が増すのです。

しかもこの株式の「財産的な価値」は、企業の成長(稼ぐ力の上昇)に伴い、段々と
高まってくるのです。

そうすると、どうなるでしょうか。

デメリットである、「出資した範囲内で債務責任を負う」「資金は永久に返済されない
という問題が相対的に小さくなってくるのです。

企業が成長し、利益をどんどん出して稼ぐ力が増してくると資金繰りも良くなります。
会社の中に資金が溢れる様になり、借金は減り、お金の心配をしなくて良くなります。

そういう状態になると、株主が実際に債務責任を負わされる可能性が減って行きます。

また、保有する株式の「財産的な価値」が高まるのに伴い、もう一つのデメリットである
「資金は永久に返済されない」も相対的に気にならなくなります。

何しろ、株式の「財産的な価値」がじわじわと高まってくるのです。 出資したお金は
返してくれなくても、株式の価値が増えてくるのなら構わない、となります。

反対に、資金と夢を託した経営者が自分の想定通りに行動せず、会社がいつも赤字では
取得した株式は「財産的な価値」が減り続けます。

この状態が長く続けば、最後は「出資した範囲内で債務責任を負う」ことになるのです。

保有した株式の価値は下がり、債務責任を取らされて会社はお金を返してくれないという
散々な結果になるのです。

この様に株式投資においては、投資先の経営者の働きやその結果である事業成績の結果に
よって、正に正反対、天国と地獄ほどの違いが出てくるのです。

  株主は意思決定力を持つ

最後に、株主は最高の意思決定力を持つということについて考えてみます。

なぜ、株主は最高の意思決定力を持つのでしょうか。

株主は会社の経営を経営者に任せますが、何もこれは完全に関与せず、何でも一切合切
を全て任せるということでは決してありません。

株主に与えられた権利の一つに、株主総会における議決権の行使があります。

株主総会に諮る必要のある事項は決められており、会社がこれらに該当する事項を新規
に作ったり変更したい場合には、株主総会に議案として提示します。

議案は、決められた割合以上の株主による議決権の賛成を得なければ決議されません。

一例を挙げてみましょう。

 ①普通決議(出席株主の議決権の2分の1以上)

  ・役員の選解任
  ・計算書類の承認
  ・剰余金の処分
  ・資本金の額の増加

  普通決議では、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、
  且つ出席株主の議決権の過半数が賛成することが必要になります。

  ※出席者数の条件は、定款に別段の定めがある場合はこれに従います。

  会社を経営する役員を選任したり、現在の役員を解任するには株主による承認
  必要になります。

  また計算書類(貸借対照表、損益計算書 等)を正式なものにするのも株主の承認
  必要になります。

  純資産から資本金・資本準備金を控除した残りの剰余金を処分し、資本金の額を増加
  したり株主に配当を出したりするのも株主の承認が必要です。

 ②特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上) 

  ・資本金の額の減少
  ・定款の変更
  ・事業譲渡の承認
  ・解散

  会社の経営や債権者、株主等のステークホルダー(利害関係者)に更に大きな影響を
  与える事項は、より厳しい特別決議となります。

  特別決議では、出席株主の議決権の3分の2以上が賛成することが必要になります。
  決議に必要な株主の議決権数の下限が高くなり、簡単には決めにくくなります。

  会社内の決まり事である定款を変更したり、事業を譲渡したりするには株主総会で
  特別決議として諮る必要があります。

  究極の選択である会社の解散も、同様に特別決議となります。

この様に、株主には「財産的な価値を伴う権利である株式」の権利の一つとして、
会社の最高意思決定機関である、株主総会での議決権行使があるのです。

株主は株主総会に出席し、自分が保有する議決権数で議案の可否を選択し決定することが
権利として認められているのです。

ここで株主総会には、定時株主総会臨時株主総会があります。

定時株主総会は、毎事業年度の終了後、一定の時期に開催することが「会社法」という
法律により定められています。

多くの株式会社は 1年を 1事業年度と定めており、この場合は 1年毎に開催されます。

また臨時株主総会は、次の定時株主総会を待たずに重要事項について株主の承認を得る
必要が生じた場合は、いつでも開催することができます。

株主は、普段は会社経営を経営者に任せて直接口出しはしませんが、これらの株主総会に
出席して会社の経営に関する重要な事項を承認又は否認する権利を有しているのです。

逆に言えば、経営者は株主の意向を無視して自分たちの都合の良い様に、勝手に
重要な経営事項を決定することは許されないのです。

  株式投資の本質

最後に、これまで考えてきた結果を踏まえて、株式投資の本質をまとめてみます。

株式に投資して株主になる本質をまとめると、下記の通りとなります。

 ・自らの資金を会社に長期的に提供することと引き替えに、会社の実質的なオーナー
  となり、経営上の重要な意思決定を示し、結果としての利益を受ける権利を有する。

 ・普段の経営は経営者に委ねるが、経営者の選出やその他の経営上の重要な事項に
  ついてはその可否を決定し、会社経営の方向性を導く役割と責任がある。

 ・株主と会社の利害は一致しており、経営が良い方向に進んでも悪い方向に
  進んでも、経営者と株主は一蓮托生である。

 
ここで、最初のコーナーで立てた仮説を検証してみましょう。 下記に再掲します。

もし株式投資に意味あるというなら、それは即ち下記の状態であるはずです。

 ・メリット >> デメリット
 
株主は会社のオーナーですから、会社の経営結果は良い面も悪い面も最終的には
オーナーたる株主自身に降りかかってきます。

株式のメリットである「財産的な価値がある」という面だけではなく、デメリットである
「出資した範囲内で債務責任を負う」からも逃れることは出来ないのです。

つまり、

 ・メリット >> デメリット
 ・メリット << デメリット

は予め決められている訳ではなく、重要事項について株主の意思決定のもと、経営者が
会社を動かした結果、決まってくるものなのです。

当然、デメリットが大きくなってしまえば株主は損失を被り、その投資は失敗だったと
いうことになります。

したがって、株主になったら会社の経営者と共に会社を良い方向に導き、債務責任を
負わされることなく株式の財産的な価値を増大させて行くことが求められるのです。

これこそが株式投資の本質となります。

株主総会という最高意思決定機関で適切な判断を下し、会社が成長して利益を出し
それが増大する様に導くのが株主の責任であり使命なのです。

株式投資により発生する権利と責任、そしてその本質を捉えて頂けましたでしょうか。

次回は、株式投資におけるリスクについて、コンテンツ(3)「株式投資のリスク」
で考えて行きたいと思います。

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プロフィール

 Author : 圭壱

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0% )

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%)

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%)

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%)

 ・2017年   4,739 万円 ( +76% ・ +203%)

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