若林栄四氏は、ニューヨークを拠点に活動するファイナンシャル・コンサルタントです。
私が氏の事を知ったのは 2009年、リーマンショック直後の事です。
当時私は約11年振りに上場株式への投資を再開していましたが、同時にゴールドにも
大きな関心を寄せておりました。
その様な中、ゴールド相場の関係者の一人として氏を知ったのです。
その頃同氏は、著書の中でドル円の高値は 2012年2月に 74円だとしていました。
私はドルへの投資は行っていませんでしたが、へぇーと思いその後を追いました。
そして実際の相場は、2012年2月に 76円の二番高を付けたのです。
最高値は 2011年10月に 75円台がありましたが、それでも驚くべき的中でした。
それではなぜ、氏はこの大胆な予想をほぼ的中させる事ができたのでしょうか。
黄金分割・ペンタゴンとは
氏が相場分析に用いるツールは、黄金分割とペンタゴンです。
あまり詳しくは書けませんが、両者の概略について以下に記載します。
初めに、黄金分割とは下図の様なものです。
画像出所:「デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる」(若葉栄四著)より筆者作成
黄金分割とは、長辺が「1+ルート5」に対して短辺が「2」となる比率を指します。
この比率の長方形が最も安定し美しいと言われており、例えばエジプトのピラミッドや
ギリシャのパルテノン神殿は、高さ ÷ 底辺 が正に 0.618になっているそうです。
氏はチャート分析によく用いられるエリオット波動がそうである様に、黄金分割もまた
フィボナッチ級数から派生したと述べています。
そして氏はこの比率から 62, 162, 262, 424の各数字を導きだし、各々の半数と共に
重要数字として位置付けているのです。
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続いて、ペンタゴンとは下図の様なものです。
画像出所:「デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる」(若葉栄四著)より筆者作成
ペンタゴンは、正五角形の事です。
この中に図の様に対角線を引くと、底辺から 36°および 72°の角度となります。
36°線は相場が強い(弱い)時の最低ライン、72°線は相場が非常に強い(弱い)
時の最高ラインとなります。
また場合によっては、更に半分の18°線を引き、「最後の砦」のラインとしています。
どの様に相場を予測するのか
チャートのx軸を時間、y軸を値とした時に、x軸は黄金分割で、y軸はペンタゴンで
それぞれ分析し、両者が交差する地点を探り出しています。
時間は黄金分割による重要数字を基に、分析対象の相場で過去に起きた重要な出来事の
日付から、次に来る未来の重要な日付を算出しています。
例えばドル円相場なら、1971年8月15日。
アメリカが一方的に金本位制を破棄した日、あのニクソンショックの日です。
ここから重要数字である 162 × 3 = 486、1971年8月から 486ヶ月後が 2012年2月。
そう、先程の 2012年2月、76円の二番高を付けた月なのです。
果たしてこれは、偶然なのでしょうか?
そして一方の値は、ペンタゴンを使用し場合によってはそれを複数積み上げて、直近の
チャートのラインからサポート/レジスタンスラインを引き、導き出しています。
何故、相場を予測しているのか
氏は相場を予測し発表する事について、次の様に述べています。
相場を予測する事は自分にとってチャレンジであり、それは成長の源泉である。
また相場を予測するのは使命感であり、レゾンデートル(存在理由)でもある。
予測が実際に当たるかどうかは別にして、地道にその道で研鑽を重ね、高いレベルに
到達した者だけが発する事の出来る言葉でしょう。
相場が先、事実は後から付いて来る
氏はファイナンシャル・コンサルタントという立場上、相場をファンダメンタルズの
観点からも語り、相場分析から基づいた予測の裏付けとして使ってはいます。
しかし著書で繰り返し主張しているのは、相場は波動でありその動きは超自然的である
という事です。
氏はコンサルタントであり経営者ですが、一方で現役の投資家でもあります。
相場と距離を置いた第三者的な者の意見では無く、自ら第一線で相場を張っている者の
主張には、ある種の説得力があるのも確かです。
私自身は相場は流れが全てだとは思ってはおりませんが、非常に長期間における大局的な
流れは、やはり存在しているとは思います。
そしてその大きな力に最後は一致する形で、(人間から見れば偶然)中期的な出来事が
発生しているのだと思う様になりました。
景気循環の4つの波動でいえば、最も長いコンドラチェフ(50年周期)ですね。
相場は直接的には、人間の売買(最近はCTAによる自動取引が猛威を振るっていますが)
により描き出されるものです。
しかしその人間の行為も、それを引き起こす世界の様々な出来事も、全てはその裏にある
見えない大きな力によるものなのかもしれません。
今後の長期的な相場を占う上で、引き続き追って行きたい人物です。
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