株式投資が初めての方や、初心者向けの「株式投資の基礎知識」に関する
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前回のコンテンツ(5)「株式投資の優位性」では、投資の対象について考え
株式投資が最も優位性があると結論付けました。
今回は、そもそも投資についての考え方や、その中で最も優位性があるとした株式投資の
社会における位置付け、そしてどの様に取り組めば良いのかを考えていきたいと思います。
そもそも、投資とは何か?
はじめに、そもそも「投資」とは何なのか? について考えてみます。
投資とは、何か特別な行為や活動を指す言葉なのでしょうか。
これまで投資を行っていない方は、投資と聞くと何かギャンブルの様な、場合によっては
非常にグレーな、危ない行為の様な負のイメージを持っているかもしれません。
投資とは何かを探るため、先ずは投資の定義について確認してみます。
「ウィキペディア(Wikipedia)」では、投資について下記の通り定義しています。
「投資(英: investment)」とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加
させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない
商業活動はこれに含まない)。
(出典:フリー百科事典 ウィキペディア/Wikipedia)
つまり投資とは、保有しているお金を資本として経済活動に供する事を指しているのです。
企業が新しく工場を建設するのは設備投資であり、従業員を新たに採用したり教育したり、
本社を拡張したりするのも投資に該当します。
企業が新しい製品を開発したり、新しいサービスを生み出したりするには、人やモノへの
投資が必要になります。
企業は規模は違えど絶えずそういった人やモノへの投資を続け、その結果として製品や
サービスを生み出し、それらを販売して利益を得ます。
こう考えると、投資とは正にビジネスとしての経済活動に必要不可欠な、それを構成する
1つの要素という事になります。
投資は資本主義というフレームワークの中で、日常的に繰り返される経済活動なのです。
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例えば私達は、スーパーマーケットや家電量販店に行って買い物をします。
そこに置かれている様々な商品や製品は、それを生産した企業が開発し、生産設備を整え、
原材料を仕入れ、従業員を雇って製造し出荷したものです。
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また私達は、列車や飛行機で旅行に出掛け、ホテルに泊まり、行楽地で楽しみます。
それらのサービスは、それを提供する企業が企画し、運営方法を決定して設備を建設し、
従業員を教育した上で実現し提供しているのです。
つまり私達は、何を買うにもどんなサービスを受けるにも、それらは全て企業が投資した
結果、実現したものという事になります。
従って投資とは何も特別な行為ではなく、資本主義における通常活動且つその根幹を成す
極めて重要な、経済的活動という事になります。
企業が過去に将来的な資本を増加させるため投資した結果として、目の前に売られている
商品や、提供されているサービスがあるのです。
したがって私達は、企業による様々な日々の絶え間ない投資活動の結果、毎日の生活が
成り立っているのです。
毎日の生活を企業の投資結果である製品やサービスにより実現していながら、自らは一切
投資には関わらない・・・
その事の方が逆に違和感がある、というのは少々言い過ぎでしょうか。
企業における、株式投資の位置付け
企業活動に組み込まれている事から、投資は基本的な経済活動である事はわかりました。
それでは、株式投資についてはどうでしょうか。
テレビや新聞、Web等、様々なメディアを通じて企業の様々な活動が報じられます。
そういった企業活動のニュースでしばしば登場するのが、業務提携・協業・資本提携・
子会社化・共同出資などの言葉や活字です。
これらのニュースが報じられた場合、殆どのケースで株式投資(出資)がセットで実行
されています。 特に資本提携・子会社化・共同出資などは 100%です。
これらは純粋な株式投資(投資企業の業績が向上して配当によるインカムゲインを得たり、
株価の上昇後に売却し、キャピタルゲインを得る事を目的とした投資)とは異なります。
投資した企業の事業活動を通じて、自社の事業活動に何らかのプラスの影響を与えたり、
シナジー効果を引き出してビジネスチャンスを拡げる事が目的なのです。
株式は企業の実質的なオーナー権であり、出資の範囲内で債務責任を負うのと引き替えに
当該企業から、様々な利潤を受け取る権利を有しているのです。
このため企業の成長上の重要な経営戦略として、焦点を当てた企業の株式に出資
して、これを長期的に保有し続けるのです。
この様に、企業は日々の事業活動における様々な投資と共に、株式投資についても経営
上の戦略として、正に企業活動として実行しているのです。
株式投資についても、企業から見れば正にビジネスとしての経済活動そのものです。
投資の優位性
投資の優位性を具体的に実証した人物として、フランスの経済学者 ”トマ・ピケティ”
が知られています。
トマ・ピケティは著書「21世紀の資本」で、経済的不平等が増していく基本的な力を
下記の不等式にまとめ、それは ”トマ・ピケティの格差論” と呼ばれています。
__”r > g”
___r:資本収益率。 利潤や配当など、資本により得られる収入。
___g:経済成長率。 給与や賞与など、労働により得られる収入。
つまり、企業の従業員としての労働収入の伸び率を、その企業に資本を提供している
資本家の収入の伸び率が、常に上回っているとしているのです。
そして資本によって得られる富の方が、労働によって得られる富よりも ”速く蓄積”
されやすく、その結果として両者の格差は拡大しやすいとしているのです。
これほど単純且つ明快に投資の優位性を表している数式は、他にはないでしょう。
トマ・ピケティは、長期に亘り資本を積み上げる事により、そこから得られる収入の
増え方は、働く事により得られる収入の増え方を確実に上回る事を立証したのです。
この事は、投資に踏み切ろうか迷っている会社員など一般の人達を非常に勇気付け、
その背中を力強く押す結果になったと考えています。
望めば、誰でも資本家になれる
トマ・ピケティは資本主義の下で経済成長率の恩恵を受ける者より、経済成長率の原動力
とも言うべき資本を有する者の方が、長期に亘って有利であると証明しました。
それでは私達一般庶民が、向こう側の仲間入りをするにはどうすれば良いのでしょうか。
答えは明快です。
投資、それも最も優位性のある投資である、株式投資を始めれば良いのです。
幸い、今の日本は株式投資を始める環境は色々と整備されており、ごく僅かな資金で
スタートする事が可能です。
誰でも望めば、直ぐにでも向こう側、即ち資本家の仲間入りを果たす事が可能なのです。
経済成長率(g)に従い得た給与収入を、少しずつ株式投資に回し、資本収益率(r)に
従い、長期的に有利に蓄積して行きたいものです。
長期に亘り「会社員」と「資本家」の2役をこなす事で、やがて会社員を引退する頃には
投資した資本は資本収益率(r)に従い、大きく増えている可能性が大きいのです。
何事も、「千里の道も一歩から」です。
可能な限り、若い時から少しずつ株式投資に取り組み、時間を味方にしましょう。
投資は、不確実性が伴う
投資には優位性があるとは言っても、その行為は必ず将来に向けての不確実性を伴います。
例えば、製造業における企業の経済的活動のサイクルを考えてみましょう。
_・投資 ⇒ 企画 ⇒ 設計 ⇒ 開発 ⇒ 試験 ⇒ 生産 ⇒ 販売 ⇒ 利益回収 ⇒ 投資・・・
__(勿論、各工程でもそれぞれの規模に応じた投資が実行されます)
資本の投資と利益回収の間には様々な工程があり、それぞれ相応のリスクがあります。
設計時に重大なミスが起こるかもしれないし、生産時に不良品となる可能性もあります。
また出来上がった製品が期待に反して不評で、ほとんど売れないかもしれません。
企業はこの様な大小様々なリスクを負って将来に向けた投資を継続し、その不確実性を
乗り越えて最終的な利益を上げているのです。
これは極めて難しく、大変な事です。
従って、全ての投資先が大きな成功を収める事は非常に難しく、投資した企業の中には
当然の事ながら、失敗する事業も発生します。
このため、1つの投資先に資本を集中する事は非常にリスクが大きく、必ず複数に分散する
事が重要となります。
株式投資は、長期的なスパンで
先程の企業の経済的活動のサイクルは、企業が扱う製品の規模や種類にもよりますが
通常は、年単位のスパンを必要とします。
企業が1つのプロジェクトを完遂し、利益を回収するには長い期間を必要とするのです。
この事から、投資の中で最も優位性のある株式投資=企業への投資は、長期的な計画で
実行する事が大切となります。
最も望ましいビジネスとしての株式投資の基本的な考え方は、投資先の企業の長期的な
価値の上昇を、末永く株主として見守る事です。
企業の本質的な価値は、当たり前ですが一朝一夕には成長しないのです。
長期間に亘って少しずつでも確実に売上高や利益を伸ばして成長を続け、その価値を
高めて行く企業を探し出して投資するのが、株式投資の王道となります。
そして長期的に価値を高めて行く企業を発掘し、且つ長期に亘って株式し続けるために
必要なのが、株式投資における知識と経験です。
長期で株式投資を続けて行くと、途中で世の中の経済環境が非常に悪くなったり、投資先
企業の業績が一時的に落ち込んだりする事が起こります。
その様な逆風の環境下においても、正しい判断を下して投資を続けて行く事が出来るか
どうかが、非常に重要になります。
投資に必要な知識は様々な媒体(テレビ、新聞、Web、書籍等)を通して習得する事が
可能ですが、経験ばかりは実際に始めてみない事には得られません。
また例え失敗しても、その原因を分析する事で次の投資に活かす事が出来ます。
そして小さな損失や失敗は、その後の投資成果にプラスに働く可能性さえあるのです。
少額で始めれば、例え全損して投資金額を全て失っても、直ぐに再起する事が出来ます。
そして失敗という、今後に活かせる大きな経験を積む事が出来るのです。
勿論、最初から手持ちの全ての資金を投入する事は、絶対に避けるべきです。
この様にして出来るだけ若い時から少額でも株式投資に継続して取り組み、知識に加えて
経験を蓄積して行く事が大切となるのです。
小さな失敗を恐れずに、株式投資の第一歩を踏み出す勇気を持ちたいものです。
投資自体の考え方や、株式投資の社会的な位置付け、またどの様に取り組めば良いのかを
捉えて頂けましたでしょうか。
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次は完結編として今回のシリーズをまとめ、併せて皆様へのメッセージを
コンテンツ(7)「株式投資のススメ」として記載したいと思います。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~]
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