WASHハウス

6537 WASHハウスが窮地に。 レオスの対応は?

6537 WASHハウス が窮地に陥っている。
先ずは下記のチャートを見てほしい。

同社の上場以降の日足チャートと純利益の推移、および今期予想EPSに対する
上場来高値と直近値(9月15日終値)の各PERを表したものである。


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

同社は2016年11月に東証マザーズ(及び福岡Qボード)に上場した、主に九州でコインランドリー
をFC展開する事業を営む会社である。

接骨院を同じくFC展開する 6029 アトラ に投資している事もあり、興味を持って観察していた
のである。

公募価格は仮条件の上限となる 2,300円に決まり、初値は 3,240円。
当時の2016年12月期予想 EPS:62.10円に対して、52.1倍であった。
(※この後、3月31日基準日で1株→2株に分割)

50倍超えというPERと資金の都合により、購入する事はなかった。
しかし上場後、少し上がった所で2ヶ月ちょっと揉み合いを続けた後するすると上昇し出した。

上昇中に2016年12月期の本決算発表があったが、今期予想と共に問題のない結果であったため、
その後も引き続き上昇。

上昇の途中から個人投資家の人気銘柄となったのだが、この変化に一役買ったのが、今や時の
投資信託となった「ひふみ」を運営するレオス・キャピタルワークスであった。

同社のファンドマネージャー・社長・スポークスマンを兼ねる藤野氏は、投資先企業を自ら直接
訪問する事で有名である。

そして藤野氏がWASHハウスの社長を訪問して実際にFC店に行って説明を受け、これは良いと
いう様な評価をしている所がテレビ放映されたのだ。

この時は私も中々良い仕組みだと思ったのである。 そして実際に、ひふみにWASHハウス株が
組み込まれている事が明らかになる。

このテレビ放映と、ひふみも保有しているという相乗効果により同社株は瞬く間に上昇して
株式2分割後初取引日の3月29日から始値ベースで3連騰し、3月31日には上場来高値となる
6,200円を付けるに至った。

この時の、今期予想EPSに対する瞬間最高PERは164.7倍。

もう、どの様に評価して良いか難しい数字である。
いわゆる、IPO直後の人気過剰先行となった銘柄に付く数字であろう。

そして一旦下落後に、半値戻しして更に上昇しかけた位の所で5月10日大引け後に1Q決算が発表
された。

結果は、純利益が 0.23億円。
今期予想の 2.56億円に対する進捗率は 8.98%に過ぎなかった。

翌日の株価は窓を開けての下落で反応し、その後一回反発するも終値で窓を埋める事はなく、
そのまま下落トレンドへ。

そして下落中の 8月9日の大引け後に、問題の 2Q決算が発表された。
その結果は、純利益が 0.22億円。
今期予想の 2.56億円に対する進捗率は 8.59%と、1Qより後退していた。

株価をこれを受けてストップ安で反応し、更に下落後に一旦そのレベルまで
反発するも、またずるずると下げて現在値に至っている。

1Q、2Qの決算が振るわなかった一番の原因は、FC出店数の未達である。

今期のFC出店予定は、152店である。
2QまでのFC出店は当初65店を予定していたものの、45店に留まった。
理由としては、営業社員の採用が想定通り進まなかった事を挙げている。

そしてこの進捗率にも係わらず、通期予想は修正していない。
新エリアである四国エリアと岡山県が順調であり、当初予定の152店は十分に達成可能である
ためとしている。

ところで同社の売上に占めるFC店事業は74%であり、アトラの31%を大きく超えている。
FC店の新規出店が同社の成長の源泉であり、これが鈍化する事は致命的である。

普通に考えて、出店契約を取ってくる営業マンが不足している状態で2Q時点で出店進捗率が
45店/152店 = 29.6%、純利益進捗率が 8.59%から、どうやったら挽回出来るのだろうか。

四国エリアと岡山県にかなりの内定が積み上がっているのだろうか。
普通に考えると、下方修正は避けられないと思うのだが。

現在値でもPERは 66.1倍と高く、投資家の期待を背負っている。 これでもし下方修正などと
いう事になれば、いよいよ現実的なPERを株価は織り込んでいく事になる。

企業の実力との乖離は、まだまだ相当なギャップがある様に見える。
引き続き、今後の動向を見て行きたい。

一方、この発表を受けてレオス社の藤野氏はどう対応したのだろうか。

ひふみの月次運用報告書には、2017年5月報告分より上位組み入れ10銘柄以外にも、小数保有
の銘柄が公開されている。

これによると、2017年2月28日時点でWASHハウス株を 2.1%組み込んでいる。

しかし 2017年6月の報告書では 3月30日時点では同社株の記載が無い。
記載のある最下位は組込比率1.0%なのでそれ以下に落としたか、或いは既に全て売却したのか。

最新の8月報告書(5月31日時点の保有)にも同社株の記載は無かった。

しかし投資家の目には、あのテレビでWASHハウス株を称賛する藤野氏が印象深く、幾らかの
イメージダウンは不可避なのではないか。
そして今回、追従した投資家のダメージも大きいのではと推察される。

また、レオス社の渡邊運用部長は私募投信のファンドマネージャーを務めており、この投信では
WASHハウスが主力銘柄の一つとなっている。 これもどう対応したのか、興味深い。

仕事で投資家からの資金を集めて代わりに運用する事は、大変である。
常に結果を求められるし、決算という期限が付いて回る。

自分の本意とは異なる対応をせざるを得ない時もあろう。
3年後に上がりますなどと言っても、通用しない世界である。

それに比べると、我々個人投資家は気楽である。
期限で結果を求められる事も無いし、文字通り自分の資金であり自分の考えを貫き通すのも自由だ。

時間の制約も無いし誰からのプレッシャーも無い。

それが、マーケットという弱肉強食の世界で個人投資家がプロと戦っていく上での、唯一絶対的な
アドバンテージであると思う。

ぜひ、このアドバンテージを活かして今後も戦って行きたいと思う。
それはイコール、自分で納得した成長株を長期で投資して行く事に他ならないと考えている。

[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00083]

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管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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