昨日、6157 日進工具 から「2018年3月期 年次報告書」という名の株主通信が届いた。
中に後藤社長のインタビューがあり、分かり易く丁寧に語っているので紹介したい。
画像出所:日進工具株式会社 2018年3月期 年次報告書
<製品について>
・エンドミルの中でも、超硬合金を原材料とした精密・微細加工に用いられる刃先径6mm以下の
小径製品に特化し、75%が超小径エンドミルとなっている。
・スマホのレンズユニットの金型加工や機械式腕時計の極小パーツの加工、自転車の変速ギア加工、
一眼レフカメラのレンズ格納鏡筒の金型製作、自動車LEDヘッドライト用金型等に使用されている。
・顧客の要望に耳を傾け、試行錯誤を繰り返してエンドミルの耐久性と切削精度を向上させ、
各種部品や金型における複雑な形状の加工を可能にしている。
<成長を持続させるための取組み課題>
・規模を追うのではなく、利益を重視してきた。
・比較的規模の小さなニッチな分野に資金と人材を集中的に投入する事で強みを発揮し、超小径
エンドミルの市場で国内トップシェアを維持してきた。
・海外売上高比率は着実に上向いている。
・当面のリスクは、原材料の安定的な確保、人材の確保、為替の影響となる。
<国内に踏みとどまる理由>
・これまで目指してきたのは、競合他社の追従を許さない技術、品質、サービスである。
これだけは誰にも負けないという誇りを胸に、企業のモノづくりを支えてきた。
・製品に対する信頼だけは、絶対に揺るがしてはいけない。
国内における精密・微細加工に向けた高付加価値製品の製造・供給こそが、成長の源泉である。
・目指すのは、製品同様「小さいけれども強い」企業である。
経営目標に掲げる売上高経常利益率20%以上、ROE 10%以上を維持するため、これからも役職員
一丸となって誠実に事業にまい進して行く。
売上高経常利益率は、上昇傾向である。
画像出所:日進工具株式会社 2018年3月期 年次報告書
自社の事業やそこで生み出される製品に対して真摯な態度で向き合い、確固たる方針に沿って活動する
ことで同社はこれまで成長を実現してきた。
ニッチな分野に特化して顧客の要望に応えながら確実にシェアを勝ち取り、確かな品質で製造現場における
顧客の信頼を勝ち得てきた。
製品の品質をないがしろにする大手メーカーが目立つ昨今、自社の製品に絶対の自信とプライドを持つ
同社は、今後も謙虚な振る舞いで着実に成長して行くだろう。
今回のインタビューを拝読し、同社への信頼が増し今後への期待が高まるのを感じた。
その様な同社であるが、これまでの株価の推移はどうだろうか。
同社株式の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は2018年1月末の前期3Q決算と通期上方修正の発表、および2月初めのレーティング格上げで
大きく上昇しそのままの勢いで高値 3,750円を付けた後は、下落トレンドが続いている。
中々本格反騰に至ってはいないが、会社発表の今期予想EPS:152.76円を基準にすると現在株価
2,635円の予想PERは 17.24倍である。
今期の純利益予想が前期比 0.3%と少なめとなっているのも、株価の下落に一役買っているのだろう。
しかし今後も長期的には安定して成長して行くと思っており、そろそろ株価の反転を期待したい。
顧客のニーズを捉えた確かな品質の製品で今後も製造現場を満足させ、成長を続けて行ってほしい。
引き続き株主として長期で投資を続け、同社を応援しながらその成長を見守って行きたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00275]
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