6539 MS-Japan の株価が膠着状態で推移している。
同社株式の日足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
これまでの株価は、1月31日に発表した2018年3月期3Q決算の翌日は上髭に終わってしまい、その後の
全体相場の下落に引きずられて 6,000円を割る展開に。
その後は一旦 7,000円台に復活したものの、また 6,000円手前まで押し戻されて推移。
しかし5月9日に発表された期末決算の結果を受け、翌日は一気に 6,350円 → 7,350円とストップ高に。
その2日目も大きく上伸し、遂に 8,000円台に到達。
しかしその後は 8,000円台を定着させる事は出来ず、やや右肩下がりの感じで 7,000円に近付いている。
このまま行くと、8月8日大引け後に予定されている1Q決算の発表待ちになりそうだ。
或いは、その前に期待で少し買われるかもしれない。
次に、前回決算発表後に発表されたIR等について並べてみる。
・「AIキャリアサバイバル診断」をリリース
5月22日に、6572 RPAホールディングスの子会社と共同で、管理部門・士業を対象とした
「AIキャリアサバイバル診断」をリリースしたことを発表した。
画像出所:株式会社MS-Japan
診断を通じて、AI・RPAに負けないキャリアを構築する事を目的として開発。
AIやRPAの影響を受ける管理部門・士業業務を分析し、自分の業務がどの程度AIやRPAに置き換わるか
を捉え、今後のキャリアをどう形成していくべきかを診断するという。
AIの正しい知識を持ってキャリアプランを描き、AI・RPAに置き換えられ難い業務の経験を深めれば
自身の活躍の場を広げることも可能、としている。
人間の業務にAIやRPAが取って変わる可能性があるのなら、その時代にどう対応しキャリアプランを形成
するのか、の分析もまたAIで行うのである。
全く、凄い世の中になったものである。
・KIYOラーニング株式会社への追加出資
6月18日に、通信教育の企画・開発・販売をネットで行うKIYOラーニング株式会社への追加出資を発表。
画像出所:株式会社MS-Japan
コミュニケーションプラットフォーム「Manegy」と、同社が提供する資格取得者向けオンライン講座
「通勤講座」を連携させ、双方の利用者増大に向けたシナジー効果を見込んでいる。
2017年7月に同社と業務提携、第三者割当増資により3,000万円を出資して以来、今回が2回目の増資
引き受けで1億円を出資した。
同社は2010年設立で、今回の増資により総額5.4億円を調達。
引受先はMS-Japanの他にも事業会社が数社、第一勧業信用組合フューチャーベンチャーキャピタルや
SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルといった銀行系ファンドも含まれている。
手堅い、銀行系列ファンドの目に叶う出資である。
2016年には、”数年後の上場を目指して準備中”として上場を目指すための管理部門で求人を募集。
社長も若く、上場意欲は強い様である。
同社が今後も成長し、上場が実現すればビジネス上の進展にも大きな期待が持てる。
・1Q人材紹介事業、新規登録者数が23%増加
7月4日に、1Q期間における「新規登録者数」(当社サービスへ求職申込みした個人利用者数)
が前期 3,588人、今期 4,414人となり、23%増となった事を発表。
画像出所:株式会社MS-Japan
同社の前期決算説明資料では、成長戦略のコアとして、
”求職者優位の売り手市場においては、登録者の増加が売り上げの増加に直結” とし、
”登録者獲得増加に関する施策が成長戦略の根幹” としている。
前期までの年間新規登録者数の推移は、下記の通りとなっている。
画像出所:株式会社MS-Japan 2018年3月期 決算説明
前期の通期での登録者数は 14,402人であり、前年比で 25.7%増であった。
前期実績を基に1Qの進捗率から通期着地を予想すると、前期の 3,588人は進捗率 24.9%でオンスケ。
今期の 4,414人は、前期の通期実績に対する進捗率は 30.6%である。
従ってこのまま推移すれば、通期では +22.6%、頑張れば前期の +25.7%程度には増えそうである。
登録者数だけを見れば、1Qの業績は好調な事が伺い知れる。
最後に、前期の株主通信におけるトップメッセージより(赤下線は筆者追記)。
画像出所:株式会社MS-Japan 第28期ビジネスレポート
”人・企業・社会が困っている、悩んでいることを解決する心のサービスを提供します”
と題し、有本社長の言葉が並べられている。
求職企業や転職者の直面している課題に手を差し伸べることの出来る、「心」のこもったサービスを
これからも展開してほしい。
これから成長して真に世の中の役に立つ企業になるためには、大事な視点であると思う。
また成長の観点として、集めたデータを有効活用し、従来の転職や採用時以外にも利用出来るサービスに
発展させたいという、社長の想いがさりげなく語られている。
この最後の3行で、今後の全く異なる新たな事業の展開にも期待したくなった。
将来の成長が益々楽しみである。
株価は冒頭に書いた通り、前期決算発表直後の価格帯でアイドリングを続けており、休憩十分であろう。
8月8日15時に向けて機は煮詰まっており、発射台に向かって静かに歩を進めている(と思う)。
残り17日、株価はどの様な推移を辿るのであろうか。
8月9日のマーケットの反応もそうだが、その先の大きな成長を見据えて今後も長期で投資を続けたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00284]
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