6080 M&Aキャピタルパートナーズ が7月27日の大引け後、2018年9月期の第3四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 63.67億円 | ▲4.2% | 86.67億円 | +73.5% |
営業利益 | 27.42億円 | ▲10.8% | 38.75億円 | +70.8% |
経常利益 | 27.36億円 | ▲9.7% | 38.76億円 | +70.6% |
純利益 | 18.78億円 | ▲10.5% | 25.76億円 | +72.9% |
各指標値とも全て前年同期間比で減収減益となり、純利益は ▲10.5%での着地となった。
今期の会社予想に対する進捗率も、何れの指標値もオンスケには届かなかった。
売上高については、本体は増収となったもののレコフは前年同期間に上げた大型案件が今期は
無かったため、連結ベースでは減収になったとしている。
また売上原価は、全国から多数相談が寄せられ保有案件が増加しており、前年同期比で増加。
なお、通期予想については「経済環境や経営環境等の様々な要因に左右され、不確定要素が多く
1案件の成約時期や手数料の多寡によるため不確実性を伴う」事から、変更は行わないとしている。
M&A成約件数は、下記の通りとなった。
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期合計 | |
本体 | 29件 | 28件 | 20件 | —件 | 77件 |
レコフ | 08件 | 06件 | 03件 | —件 | 17件 |
合計 | 37件 | 34件 | 23件 | —件 | 94件 |
本体およびレコフとも、3Q期間中での成約件数は失速している。
期間中の活動としては、引き続き
・好調なM&Aマーケットを踏まえ、コンサルタントの確保を中心とした採用活動を推進。
・セミナーの実施やホームページの改修などプロモーション強化に向けた施策を推進。
としており、決して手綱を緩めた訳ではないだろう。
成約件数の推移は、下記の通りである。
画像出所:M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 2018年9月期 第3四半期決算説明資料
2011年からの各期の成約件数は、13 → 18 → 21 → 35 → 44 → 58 → 111 → 130(予想)である。
3Q時点での実績 94件の進捗率は 72.3%であり、これは純利益の進捗率とほぼ同じである。
2Q時点の実績は 71件で進捗率は 54.6%だったので、貯金を使い果たし借金生活に陥った状態である。
ラストの4Qで一気にスパートをかけて大幅貯金で着地となる様、ここは踏ん張り所である。
超過着地に向けて是非とも頑張って頂き、1件でも多く成約を勝ち取ってほしい。
しかし先程の、「本体は増収だがレコフは前期の大型案件が今期は無く連結では減収になった」
という説明について、少し解せない点がある。
画像出所:M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 2018年9月期 第3四半期決算説明資料
上記の記載では、レコフは3Q累計で大型案件(手数料総額1億円以上)を4件成約している。
2Qの決算短信を見ると累計3件と記載されており、つまり3Q単独としては1件の成約である。
一方で前期の決算短信を見ると、2Q累計は1件、3Q累計は2件でこれも3Q単独では1件となる。
つまりレコフが成約した大型案件件数の推移は、3Q単独では1件 → 1件、累計では2件 → 4件で
前期と同等以上の実績なのである。
しかし累計の売上は前期の 15.35億円から 11.32億円に減り、▲26.25%となってしまった。
レコフのサイトには記載されていなかったが、単純に計算すると
(1億円未満は、前期2Q累計:8件、3Q累計:11件、今期同8件、同9件であるが無視すると)
-4億円 = +2億円(最低線として) - x ∴ x = 6億円
つまり前期の1件は、最高で6億円レベルの手数料の案件だったという事になる。
”大型案件” の中でも、随分と金額の張る案件であったのであろう。
月曜日は大きく売られてしまうだろうが、頑張って挽回して超過着地し、現在予想の通期純利益が
前期比 ▲1%からプラ転するのであれば、そこは絶好の買い場となるかもしれない。
また、注目は1年後である。 業績好調であれば、来期の3Qは大きな増収増益で着地する可能性が高い。
そこでの決算跨ぎは、効率的な短期投資の場を提供してくれるかもしれない。
何れにしろ、私はM&A事業は今後も引く手あまたが続くと考えており、黙って投資を継続である。
いくら良い企業でも四半期ベースで見れば、快晴の日ばかりでは無い事は十分に承知である。
将来のいわゆる「大化け」を確信しつつ、今後も長期投資のスタンスを貫きたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00290]
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