4792 山田コンサルティンググループ が8月3日の大引け後、2019年3月期の第1四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 29.59億円 | +0.6% | 150.00億円 | +19.73% |
営業利益 | 2.87億円 | ▲52.9% | 32.50億円 | +8.83% |
経常利益 | 3.20億円 | ▲47.8% | 32.50億円 | +9.84% |
純利益 | 1.64億円 | ▲56.9% | 21.20億円 | +7.73% |
売上高は微増、各利益は前年同期間比で ▲50%前後と大きく減益となった。
また通期予想に対する進捗率は、各利益とも1桁台という低迷での着地となった。
今回通期予想は据え置いたが、果たして大丈夫なのであろうか。
営業利益が減益になった理由として、人員増強による人件費の増加等により販売費・一般管理費が
前年比で 3.14億円増加したことを挙げている。
セグメント別には、下記の通りとなった。
売上高 | 前期比 | 営業利益 | 前期比 | 進捗率 | |
経営コンサルティング | 22.22億円 | ▲14.4% | 0.41億円 | ▲92.4% | +1.5% |
不動産コンサルティング | 1.30億円 | ▲14.9% | ▲0.01億円 | —% | —% |
FP関連事業 | 1.75億円 | ▲8.3% | 0.15億円 | ▲55.2% | +16.0% |
投資・ファンド事業 | 4.40億円 | +87倍 | 2.31億円 | +63倍 | +115.8% |
経営コンサルティング事業
・M&A、事業承継、事業成長、海外事業とも案件の引合い・受注状況は順調に積み上り
・M&Aの売上計上額が前期比で減少
・人件費の増加等により販売費・一般管理費が前期比で 3.11億円増
・よって前期比で減収減益となり、通期予想に対する進捗率も低水準
・但し、2Q以降の業績は案件の積み上がりにより挽回できると見込む
不動産コンサルティング事業
・営業体制・組織体制の見直しを図り、案件の受注活動に注力
・しかし売上実現には至らず、業績は前期比で減収減益
教育研修・FP関連事業
・確定拠出年金導入企業に対するDC関連研修の実施回数が前期比で減少
・よって前年期比で減収減益となった
・但し、金融機関に対する研修等の引合い・受注状況は順調であり
2Q以降の業績は順調に積み上げられると見込む
投資・ファンド事業
・キャピタルソリューション弐号ファンドは投資先1社の株式を売却、投資終了
・上記により投資利益を計上し、前年同期比で増収増益
・6月に後継ファンドとして総額10億円でキャピタルソリ ューション参号ファンドを組成
売上高の約9割を占める主力の経営コンサルティング事業は、1Qは減収減益となったものの
引き合いと受注済案件は順調に積み上がっており、2Q以降は挽回できる見込みとしている。
これにより、純利益ベースで 7.73%の低進捗率にも係わらず通期予想を下方修正しなかった。
この見込み通りに2Q以降は追い上げ、高進捗率となる事を期待したい。
四季報夏号の記載。
【小幅増益】
4月施行の事業承継特例税制が経営コンサルに追い風。
前期に紹介手数料が膨らんだ不動産コンサルは提案型に舵切り利益反発。
投資案件の回収も。 が、認知度向上への広告宣伝費著増で小幅増益。
【深耕】
銀行等からの顧客紹介に加え、手数料発生しない直取引を拡大。
関連費用は前期比約3倍の4億円弱に。
2号ファンドは12億円の投資枠ほぼ消化。次を準備。
4月施行の事業承継特例税制が案件の引合い・受注増加に寄与している事は間違いないだろう。
このチャンスを効率的に捉えて果実をもぎ取り、今期予想通りに着地する事を願っている。
さて今回の発表を受けて株価は週明け以降、どうなるだろうか。
同社株式の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
純利益が減益を示す青色表示となったのは、2016年3月期本決算以来となる。
それもインパクトの大きい、メガ級の数値である。
今週勃発した ”M&Aショック” にも、同社株式はこれまで 27日終値 3,145円 → 3日終値 2,966円
と5%程度の下落に留まり、動揺に巻き込まれる事もなく冷静に値を保ってきた。
しかしそれだけに、今回の減益着地に週明けのマーケットは大きく反応しそうである。
未だに動揺が収まっていない他のM&A関連銘柄への影響も含め、戦々恐々としながら見守って
行くしかない。
中々苦しい展開になりつつあるが、保有する他の3銘柄も含めてM&A関連事業は将来的に大きく
期待できると考えており、当然売らずに今後も長期投資のスタンスである。
暗闇の先には明るい未来が待っていると信じて、投資を継続したい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00300]
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