6055 ジャパンマテリアル が昨日8月9日の14時30分、2019年3月期の第1四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 84.00億円 | +44.2% | 320.00億円 | +26.25% |
営業利益 | 21.36億円 | +59.8% | 64.00億円 | +33.38% |
経常利益 | 21.43億円 | +61.2% | 64.00億円 | +33.48% |
純利益 | 14.82億円 | +63.7% | 43.00億円 | +34.47% |
対前年比で、大幅な増収増益を達成した。
純利益ベースでは +63%となり、通期の会社予想に対する進捗率も 34%と超過して着地した。
進捗率は同上期予想の 21.00億円に対しても、70%に達している。
経常利益は 21.43億円で着地し、直近のIFISコンセンサスである 16.45億円を30%以上上回った。
但し通期での同コンセンサスは 79.40億円であり、会社予想に対して 24%ほど上回っている。
しかし1Qの好調な進捗率から見て今後の上方修正が期待出来そうであり、このまま進捗すれば
十分に達成できると考えている。
1Qの結果として、
・エレクトロニクス関連事業
売上比率 95.97%、売上高 +45%、純利益 +52%
顧客の設備投資に伴い発生するイニシャル部門(特殊ガス供給装置製造、供給配管設計施工)は、
主要顧客の半導体工場で増産に向けた設備投資が引き続き実施され、好調に推移。
生産活動に伴い発生するオペレーション部門(特殊ガス販売管理業務、技術サービス等)も、
工場での生産活動拡大により特殊ガス販売、半導体製造装置メンテナンスを中心に順調に推移。
・グラフィックスソリューション事業
売上比率 3.26%、売上高 +28%、純利益 +312%
主にデジタルサイネージ向け販売を中心に、順調に推移。
・太陽光発電事業
売上比率 0.77%、売上高 ▲2%、純利益 +6%
三重県内で3か所の太陽光発電所(出力合計3.9メガワット)が稼働中。
超主力のエレクトロニクス事業は、半導体工場の稼働率向上と設備投資の活況で好調そのものである。
目を引くのがグラフィックスソリューション事業で、今回大きく改善している。
現在、10を超えるブランドのグラフィックハードウェアの正規代理店となっており、OEMブランドでの
開発を含めて各種プロ用機器の製造・販売を手掛けている。
その中のブランドの1つ、2000年設立のVNS社(台湾)製のハイエンドビデオプロセッサー「Geo Box」に
ついて、6月20日にリリースが出ている。
エプソンチームラボと森ビル株式会社が共同でお台場パレットタウン内に2018年6月21日に開業する
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」で「GeoBox」が導入された。
100台超の「GeoBox」が多数のコンピューターとプロジェクターの架け橋となり、施設面積10,000㎡と
いう圧倒的なスケール感と幻想的な空間をサポートする。
画像出所:「MORI Building DIGITAL ART MUSIUM :EPSON teamLab Borderless 」特設サイト
特設サイトでは、美しい映像と動画で楽しませてくれる。
”アートは部屋から出て移動し、他の作品とコミュニケーションし、他の作品と境界なく時には混ざり合う”
”アートによる境界のない1つの世界、『チームラボボーダレス』”
”境界のないアートに自らの身体を没入させ、自らの身体で探索し、他者と共に新しい体験を創出する”
520台のコンピューター、470台のプロジェクター、10,000㎡の圧倒的なスケール感と、複雑で立体的な
空間が特徴の、世界に類を見ない全く新しい世界を提供している。
非日常の世界であり、非常に人気のある施設になっている様である。
この事業でも他社ブランドやOEMによる展開だけでなく、自社ブランドによる本格的な展開に期待したい。
映像事業はエンターテインメントであり、夢の演出である。
夢の演出で人々を楽しませ、その事で自らの夢をもまた実現してほしいと願っている。
将来的には、エレクトロニクス関連事業に次ぐ大きな事業として成長して行く事を期待したい。
次に現実に戻り、四季報夏号の記載。
【順風満帆】
顧客半導体メーカーの設備投資旺盛で配管設計施工は活況続く。
特殊ガス販売も着実増。
各種サービスの一括受託は需要に人材育成が追いつかないほど。
人件費拡大吸収し営業益続伸。 連続増配。
【杞憂】
難航した東芝メモリ売却決着。
同社は7月に岩手・新製造棟着工、四日市工場ともに積極投資は変わらず。
四日市倉庫で高圧ガス管理許可取得し物流効率化。
主要ビジネスは活況を呈しており、この機会を捉えて売上の増大に邁進してほしい。
その為にに不可欠な人材の確保は大変ではあるが、乗り越えてほしいと思う。
最後に、決算発表までの株価の動きを確認してみる。
昨日は14時30分に好決算が発表され、株価は垂直上昇。
画像出所:YAHOO! JAPAN
その後は落ちたものの、終値では 10%以上の上昇となった。
この位マイルドな上昇の方が、その後の巡航速度も出て良いのかもしれない。
また、同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は前期の本決算発表を受けて5月14日には窓を開けて大きく上昇したが、週末にかけて下落。
その後も上昇し 1,867円の実質的な上場来高値を記録したが、その後はまた下落している。
今回の好調な1Q決算を受けて、今後はどの様に推移するだろうか。
今後も業績の成長と共に、配当や株価の成長を見守りながら、引き続き長期投資のスタンスである。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00310]
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