6087 アビスト が昨日8月10日の11時30分に、2018年9月期の第3四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 64.64億円 | +8.4% | 92.80億円 | +69.66% |
営業利益 | 11.66億円 | +9.7% | 16.89億円 | +69.03% |
経常利益 | 11.86億円 | +12.0% | 17.07億円 | +69.48% |
純利益 | 7.67億円 | +7.2% | 11.51億円 | +66.64% |
安定した増収増益で、純利益は前期比 +7%で着地し通期予想に対する進捗率は 66%台となった。
多少進捗は遅れているが、最後4Qの追い込みで通期では超過しての着地を期待したい。
3Q期間中も、主力事業である設計開発アウトソーシング事業における請負業務の拡大を推進。
またコミュニケーションロボットの開発・販売事業の撤退に伴い、6,700万円を特別損失として処理。
ロボット事業は2017年6月に最初の販売を開始したが、収益化が見込めず1年余りでの撤退となった。
有限の経営資源、見込みが立たないのであれば早々に見切りを付ける事も必要である。
今回は、この事実を知ってから投資している。
1Qの結果として、
・設計開発アウトソーシング事業
売上高 63.37億円(+9.6%)、純利益 11.71億円(+9.8%)
技術者稼働率が高水準で推移し、請負業務及び派遣業務の拡大等が増収増益に寄与した。
・水素水製造販売事業
売上高 1.35億円(▲30.6%)、純損失 0.19億円(前期も同額)
水素水全般に対するネガティブな報道の影響により、売上が伸び悩んだ。
・不動産賃貸事業
売上高 0.23億円(+2.4%)、純利益 0.14億円(▲5.2%)
主力の設計開発アウトソーシング事業では結果を出しており、今後も事業拡大に向けて努力を
お願いしたい所である。
7月17日には、3Dプリント機の増設についてIRが出ている。
設計開発アウトソーシング事業を展開する自動車業界・自動車部品業界の他、航空、宇宙産業等の
領域にも幅広く対応する事を目的として、金属造型機を増設する。
増設設備は計4台となり、増設後は計7台となる。増設時期は 2018年10月以降を予定としている。
航空、宇宙産業などへの進出を目的としており、新たなビジネスの展開に期待したい。
水素水については良くわからないが、この手の健康系の飲食物には効果について常に色々な見方が
あり、製品自体や販売方法に問題のある業者も必ず存在するので今に始まった事ではない。
収益化に向かって、一歩ずつ進む事が出来れば良いと思う。
次に、四季報夏号の記載。
【連続増益】
柱の自動車ランプ、ボディなど設計開発が堅調。
高付加価値の請負が牽引。
水素水赤字残るが連続最高純益。 事業撤退による特損計上。
19年9月期は請負続伸。 水素水黒字化。 配当性向は30%基本。
【選択と集中】
電話受付ロボット販売事業撤退。 不採算取引を清算。
水素水は品質管理をPR、赤字体質解消を急ぐ。
収益力の高い請負の比率を20年9月期に60%超目指す。
顧客企業のアウトソーシング化は時代の流れであり、ビジネスには追い風となっている。
技術者の確保と育成が課題ではあるが、今後も着実な拡大を期待したい。
最後に、これまでの株価の動きを確認してみる。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は6月に 4,640円で投資後、翌週には丁度 5,000円まで上昇したがそこが山頂に。
以後はダラダラと下落を続けている。
昨日8月10日も前場終了時の決算発表を受けて、後場はほぼ垂直に落下。
以後は底値圏での揉み合いで終了した。
マーケットは、7%程度での増益では満足出来なかった様である。
チャート的には1年前からの底値に落ちており、ここは踏ん張り処であろう。
ここで這い上がれないと、含み損が長期化しそうな気配が濃厚である。
といって投げる事は全く考えていないため、今後は全体相場と業績と需給の睨み合いに
身を委ねるしかない。
今期の最終着地が上振れする事を祈りつつ、視点は長期で今後も投資を続けて行きたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00311]
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