JACリクルートメント

2124 JACリクルートメント 18年12月期・2Q決算を発表、均衡園

2124 JACリクルートメント が8月10日の大引け後、2018年12月期の第2四半期決算を発表した。

指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。

実績 前期比 通期会社予想 進捗率
売上高 110.43億円 +42.0% 227.57億円 +48.53%
営業利益 26.55億円 +0.4% 54.95億円 +48.32%
経常利益 26.77億円 +1.2% 55.11億円 +48.58%
純利益 18.85億円 +0.5% 38.81億円 +48.57%

売上高は前年比で +42%と大幅増収となったが、各利益は何れも微増レベルに留まった。
この理由は、後述するが2Qまでに実施した大型投資によるものとしている。

また通期の会社予想に対する進捗率は全て48%台となり、若干の遅延となった。

セグメント別には、下記の通りとなった。

セグメント 売上高 前期比 経常利益 前期比
国内人材紹介事業 87.97億円 +15.5% 25.80億円 ▲2.9%
国内求人広告事業 1.52億円 ▲6.5% ▲0.16億円 —%
海外事業 20.93億円 N/A% ※ 1.14億円 N/A% ※

※セグメント区分の見直しに伴い、海外事業の前期比は記載していない。

1.国内人材紹介事業

 ・引き続き、各コンサルタントの成長と組織の拡大を意識した経営を推進
 ・中高額帯と専門職への取組み継続により、売上高・利益とも期初予想に沿って進捗
 ・社員採用、登録者の確保、新基幹情報システムの開発等、拡大を視野に大型投資(※)

 ※コンサルタント1,000人体制に向けた抜本的な事業基盤の整備を推進。
  このため、利益額は前期並みとなった。
  この結果、コンサルタントの増員は期初計画を上回る結果となり、登録者の確保も
  自社サイトにより募集し、前年同期比で5割以上増加となった。

2.国内求人広告事業

 ・連結子会社の株式会社シー・シー・コンサルティングにより展開
 ・7月に専任の社長を選定して営業体制の安定強化を図り、事業の再成長に向けて始動

3.海外事業

 ・3月に全株式を取得したJAC Recruitment Asia Ltd(シンガポール)を中心に展開
 ・本体の副社長を新たに海外事業本部長とし、利益率の向上を最優先に事業を再構築

グループの特徴である外資系企業、日系企業のグローバル分野へのサポートを国内外で同時に
展開できる新体制の優位性を最大限に活用し、更なる事業拡大を目指す。

また3Q以降に向けては、増員した新人コンサルタントの戦力化に向け教育・研修を充実させ、
事業全体の生産性向上に努めて行く。

一方で経費は予算内で推移しており、更なる株主還元を可能とする態勢を整えるとしている。

今回の大型投資が、今後の売上増大とそれに伴う利益の成長という形で、その効果が現れる日を
楽しみにしている。

国内求人広告事業と海外事業の再構築が進展すれば、国内人材紹介事業への先行投資効果との
相乗効果により、大きな成長が可能であると考えている。

そして経費を想定内で抑え、更なる株主還元を可能とする態勢を整えるという記載も、個人株主と
しては有り難いものである。

また今回8月10日には決算発表と同時に、JAC Recruitment Asia Ltd の買収に伴い中期経営計画の
修正を発表している。

<3ヶ年中期経営計画>

18年見通し 19年目指す姿 20年目指す姿
(旧)売上高 184億円 214億円 249億円
(旧)純利益 39億円 46億円 55億円
(新)売上高 227億円 259億円 296億円
(新)純利益 38億円 48億円 57億円

売上高は何れも 20%前後上方修正されたが、純利益ではそうでもない。
この事は、四季報夏号にも下記の通り記載されている。

【増配】
 筆頭株主経営の海外企業を子会社化、売上加算だが低採算でのれん償却
 (今期 1.9億円)もあり若干営業赤字。
 ただ国内の人材紹介はコンサル要員採用順調で日系企業の海外高額案件
 中心に好調。 増益。

【海外強化】
 アジアで展開の海外会社を3月末子会社化。
 高成長戦略継続へアジアの人材紹介市場開拓強化が狙い。
 要員増強や収益力向上が課題。 国内も積極採用継続。

利益率が向上し、のれん償却費を払って余りある業績寄与を果たしてくれる様に
新たに海外事業本部長となった服部副社長には、その手腕を期待したい。

 
次に、株価の推移について。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。


画像出所:YAHOO! JAPAN

株価は今年4月に 2,314円で投資後は 2,000円すれすれまで下落し、上昇して買値前後を
行き来している。

しかし投資後は今期1Q、2Qと、決算発表後は株価は何れも下落となっている。
特に今回は、初取引日となる13日が日経225で ▲445円と崩れており仕方が無い側面もある。

今後は先行投資の結果が出て業績が成長し、株価の上昇と増配という形で株主に還元されて
来る事を期待している。

引き続き、会社の成長を夢見ながら長期投資を継続して行きたい。

[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00316]

コメント

  • コメント (2)

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    • 薄利多売
    • 2018年 8月 14日

    昨日の日経オーバーシュートでは決算絡みで明らかに逆行下げが幾つか見られ、ここもその一つで監視していました。午前中に2170円付近で気づいたので即買えばよかったのですが、全体の下げに狼狽しているうちに2200円で指しても買えない処へ行ってしまいました。
    予想通り本日大幅上昇となり、大変悔しいです。とはいえ上下の激しい銘柄なので、引き続きチャート観察はしていくつもりです。

      • 圭壱
      • 2018年 8月 18日

      薄利多売さん、こんにちは。
      返信が遅れましたが、その後また下がってきましたね。
      本格上昇はまだかな? 
      ・・・・といつか訪れる変化に期待している所です。

管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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