6087 アビスト の株価推移について記載する。
同社株式の日足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
同社株式には、今年6月に株価 4,640円で投資。
株価はその後すぐに5,000円まで上昇したものの、結局は下落して買値前後でヨコヨコに。
8月に入り遂に 4,500円レベルを完全に割れ、8月10日の昼休みに発表された3Q決算を受けて
大きく下落、終値は 4,225円に。
その後は8月22日と9月13日に 3,815円の同値で反発し、ダブルボトムを形成。
先週末21日の終値は 4,235円となり、3Q決算発表直後の株価にようやく戻った所である。
ここから先は、果たしてどの様な株価推移になるのだろうか。
3Q決算の経常利益と純利益について再掲すると、下表の通りである。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
経常利益 | 11.86億円 | +12.0% | 17.07億円 | +69.48% |
純利益 | 7.67億円 | +7.2% | 11.51億円 | +66.64% |
通期予想に対する経常利益の進捗率は 69.48%、純利益の進捗率は 66.64%である。
何れも、標準的な 75%に届いていない。
そして今期予想EPSは、289.45円である。
これに対する予想PERは、ダブルボトムでは13倍、現在値では14倍程度である。
3Q決算には、コミュニケーションロボット事業の撤退に伴う特別損失 6,700万円が含まれており
単純には言えないが、仮にこのままの進捗ペースで今期着地したと仮定すると、
・経常利益 15.81億円(前期比 +5.97%)
・純利益 10.22億円(前期比 +5.80%)
・EPS 256円
となり、これに対するPERはダブルボトムで 14.9倍、現在値で 16.54倍となる。
保守的な予想に対しても、底値では 15倍に達しておらず現在も 16倍程度の水準である。
株価が振るわない要因として、コミュニケーションロボット事業の撤退や水素水に対する一部報道
から来るマイナスイメージ等、ネガティブな要素が絡んでいるのかも知れない。
しかしこれらは何れも本業ではなく、今後の業績に大きな影響を及ぼす事項ではない。
市場が効率的で株価が未来を先取りする力があるのなら、終わった事や副業に対する一般的な負の
イメージよりも、これからの成長を織り込んでいくはずである。
現在行っている3Dプリント事業への投資は、その最たるものであろう。
画像出所:株式会社アビスト 2018年8月 個人投資家向け説明会資料
事業の拡大に向けて、プリンタへの投資を着々と進めている。
7月17日のIRでは、”これからも3Dプリント事業の先駆者となるべく、技術力および設備の充実を図る”
と力強くマーケットにアピールしている。
ダブルボトムを形成した今の株価は、果敢に挑戦した新規事業の他社譲渡という小さな失敗を市場が
認め、新たに育て始めている新事業への期待を織込み始めた段階であると考えている。
9月も残り1週間であり、実質的には2019年9月期のスタートに向けて既に会社は動き始めているだろう。
これまで堅実に増収増益を重ね、最高益を更新してきた同社である。
いつまでも現状の低PERに甘んじている可能性は、やはり低いのではないだろうか。
マーケットが来期の計画に目を向けるのも、もうすぐである。
株価はその時に向けて、静かに動き出した。
主軸の設計開発アウトソーシング事業が、新たに始めた3Dプリント事業の相乗効果により現在の自動車業界
に加えて航空、宇宙産業等の他業界に進出する事が期待される。
先ずはその最初の成果が来期中に少しでも得られる事を期待して、これからも同社への投資を続けて
株主として見守って行きたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00337]
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