2月5日から始まった相場の下落後、7週目が経過した。
2月2日からの各指数の推移を、下図に表す。
NYダウ、日経225、TOPIX、日経JASDAQ、東証マザーズの各指数の終値の推移である。
表示日付は日本の取引日で、NYダウはそれぞれ直前の取引日の終値。
各指数は比較のため、TOPIXは14倍、JASDAQは6倍、マザーズは20倍している。
各指数とも、再び鋭角的な下落となっている。 角度的には2月5日の第1発目の下げに匹敵する。
日経225に至っては、それを更に上回る2月6日の最大の下げと同じである。
先週は、16日こそ日本株の各指数は下落したもののまずまずの推移であり、落ち着いていた。
しかし今週は一転、小型株指数を先導に軟調な展開となり最終日に大きく下落した。
日経225およびTOPIXは3月5日の安値を遂に更新し、底割れの展開となった。
JASDAQおよび東証マザーズは、それでもまだ2月14日の安値を上回っている。
急落前の株価と今週末の株価、およびその割合(今週末 ← 先週末)は下記の通りとなっている。
・NYダウ :2月1日:26,186 → 3月22日:23,957(91.5% ← 95.0%)
・日経225 :2月2日:23,274 → 3月23日:20,617(88.6% ← 93.1%)
・TOPIX :2月2日: 1,864 → 3月23日: 1,664(89.3% ← 93.1%)
・JASDAQ :2月2日: 4,270 → 3月23日: 3,934(92.1% ← 96.0%)
・マザーズ :2月2日: 1,324 → 3月23日: 1,156(87.3% ← 93.2%)
NYダウは 91.5%と辛うじて 90%台を維持しているが、23日の終値は 23,533(▲424)と大幅続落。
急落前に対する値位置も 89.9%と、遂に 90%を割れた。
日本株の各指数もJASDAQは異常に強く 92.1%となっているが、それ以外は既に 90%を割れている。
当然、週明け26日の取引では更に下がることが予想される。
さて日本株市場は外国人に牛耳られていることは周知の事実であるが、その売買動向を確認してみる。
下記のグラフと表は、投資主体別の売買動向(先物含まず)である。
画像出所:世界の株価と日経平均先物(株式会社ストックブレーン)
グラフ上の縦点線とポップアップ表示は、急落直前の2月第1週の投資主体別の売買代金である。
・外国人:▲3,525億円(売り越し)
・個 人:△2,733億円(買い越し)
と、既にこの時点で両者の売買は対照的である。
昨年秋に大きく買い越した外国人投資家は11月以降は一転して売り越しており、以降大きく
買い越したのは、今年に入って1月の一瞬だけである。
ここから相場が急落した2月第2週(2月5日~9日)は
・外国人:▲6,446億円
・個 人:△7,458億円
とその差が大きく拡大する。 外国人の売りを、個人投資家が果敢に吸収する構図である。
この差は相場急落後で最大であり、その後先週末まで破られていない。
そして相場が2月14日に一旦底を打ち、続く2日間上昇した2月第3週(2月13日~16日)は
急激にその差が縮まり、共に僅かな売り越し・買い越しに留まった。
これは相場が底を打ったタイミングで、両者ともに大きく反対売買に動いたためと推測される。
続く2月第4週(2月19日~23日)も相場は小刻みな推移となり、両者ともに大きな変動は見られない。
そして3月第1週(2月26日~3月2日)は、3月2日に日経225とTOPIXが2月14日の安値に迫る下落相場
となったが、両者の売買は
・外国人:▲3,484億円
・個 人:△3,359億円
と、再び外国人の売りを個人が果敢に買いで応酬する展開となった。
しかし、続く3月第2週(3月5日~3月9日)は、全体相場は上昇するも外国人の同レベルの売りに対し
個人の買いが急速に細ってしまう。
そして3月第3週(3月12日~16日)は、個人が遂に ▲756億円と売り越しに転じた。
3月第4週(3月19日~23日)のデータは表示されていないが、どの様な結果になったのであろうか。
グラフから、2月の最初の相場急落後は大きく買い越した個人投資家の買い意欲が、次第に衰えて
来ているのが少々気に掛かるところである。
米国の輸入関税を巡る自国保護対応は、脇を固めたトランプ政権が遂に本丸の中国に宣戦布告。
中国がこれにハイそうですかと素直に従うはずもなく、対抗策の用意がある事を即座に発表。
両国の戦いは、早くも泥沼の様相を呈し始めている。
このまま、2大経済大国主導による貿易戦争へと発展してしまうのか。
世界貿易機関(WTO)のルールを逸脱した米国と、その行為を逆手に取りルールで認められている
対抗措置で応酬する事で、国際社会にアピールしてきた中国。
ここでは両国ともに、只の国家でななく “戦略的国家” であることに注意が必要である。
一方、米国の主要同盟国で唯一、今回の輸入関税の適用除外対象とならなかった我が日本。
米国は、日本との2国間の自由貿易協定(FTA)の交渉の切り札としてきた。
戦略を持たない “非戦略的国家” の代表でもある日本は今後、剛腕トランプ政権を相手に高度な
対応が迫られることになる。
しかし、肝心の安倍内閣は支持率が急低下し今や30%台、危険水域入りしている有様である。
森友問題を速く決着させて支持率を上げ、米国に対応して行く必要があるがどうなるか。
米国在住・在籍の外国人はこれまで日本株を売り越しているが、現時点ではどちらかといえば
自国内の問題から生じたリスク回避に走った結果であり、日本や日本株そのものを嫌気して
いるのではないと考えられる。
それが本当に日本を嫌気して売る様な事態とならない様に、日中関係でゴタゴタしている間に
安倍政権は早急に立て直す必要がある。
内外共に外部環境は再びキナ臭くなり、当面はリスク回避の雰囲気が濃厚となってきた。
しかし成長株投資家はこんな時もその先の環境に想いを馳せ、淡々と投資を続けて行くだけである。
桜が開花し、いよいよ春の訪れを実感する季節となった。
3月最終週から4月へと相場を取り巻く環境は、どの様な展開を見せるのであろうか。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00218]
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