2186 ソーバル が昨日9月28日の大引け後、2019年2月期の第2四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 40.46億円 | ▲0.4% | 83.50億円 | +48.45% |
営業利益 | 2.83億円 | +6.5% | 6.25億円 | +45.28% |
経常利益 | 2.92億円 | +9.3% | 6.32億円 | +46.20% |
純利益 | 1.94億円 | +6.9% | 4.27億円 | +45.43% |
売上高は前期比で ▲0.4%とほぼ同じ程度あったが、各利益は何れも増益で着地した。
通期予想に対する利益の進捗率は、何れも 45%程度と若干の遅れでの着地となった。
強固な請負体制の構築に向け、プロジェクトの管理や人材育成、積極的な営業活動を展開。
最新技術へのニーズに対応し、自動運転分野など新規分野の取引を着実に拡大したとしている。
特に目を見張る様な着地ではないが、まぁ同社らしい堅実な業績結果となった。
2Qまでの累計では売上高営業利益率が向上しており、今後もより効率化へのシフトに期待したい。
また9月25日には、下記のIRが出ている。
「SQiP(Software Quality Profession:スキップ)」(一般財団法人 日本科学技術連盟 下部)の
「ソフトウェア品質シンポジウム2018」において、同社の湯川健氏が参加する研究チームが
”SQiP Best Presentation Award” を受賞
画像出所:ソーバル株式会社
「【経験論文】作成者の認知バイアスに着目したレビュー手法の提案」と題した発表概要には
中々難解な言葉が並んでいるが、要約すると
(仕様書や設計書、ソフトウェア等の)重大な欠陥がレビュー(やテスト)で検出出来ないのは
成果物に対してそれを実施しており、成果物には作成者の認知バイアスが反映されているため。
※()内は筆者の推測による記述。
そしてこの認知バイアスを踏まえた新しい欠陥検出方法を提案し、重大な欠陥の検出に有効で
ある事を確認出来たとしている。
ソフトウェアの開発において重大な欠陥がそのまま最終製品に取り込まれてしまう事は珍しくなく、
大きな損失に繋がっている。
やはり人間、”思い込み” を完全に拭い去るのは困難であり、その心理を踏まえた検出方法は
有効なのであろう。
今回の発表が直ちに契約や業績に紐付くものではないが、同社の取組みやその名を業界にアピール
する事が出来れば何らかのプラスになり、やはり優秀な人材は宝である。
さて現実に戻り、これまでの株価の推移を確認してみる。
同社株式の日足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は、6月末に大きく上昇して天井を付けている。
5月に 3906 ALBERT が自動運転技術でトヨタ自動車と業務資本提携を締結、株価が大幅上昇。
マーケットが関連銘柄を探している時に、当社が大手自動車メーカー(後にトヨタ自動車と判明)
と直接取引を開始との報道が流れ、連れ高した。
しかし6月29日大引け後に発表された1Q決算で現実に引き戻され、株価は上昇前に里帰り。
暫くは下値を模索したが8月中に底値を脱出、以降は同社のペースで反転して来ている。
最後の2日間は決算を期待した買いが入り上昇したが、週明けはどうなるだろうか。
今期後半も日立グループとの取引拡大や、トヨタ自動車や DeNA との新規直接取引の拡大を進め
その進捗率を上振れさせてほしい。
株価が再び 2,280円を奪還するのはいつになるのか、楽しみにその時を待ちたいと思う。
引き続き、長期でその成長を見守って行く事としたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00341]
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