6157 日進工具 が10月31日の大引け後、2019年3月期の第2四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 52.47億円 | +11.9% | 105.20億円 | +49.88% |
営業利益 | 14.62億円 | +19.3% | 27.50億円 | +53.16% |
経常利益 | 14.67億円 | +18.1% | 27.80億円 | +52.77% |
純利益 | 9.72億円 | +7.2% | 19.10億円 | +50.89% |
2桁の増収を確保し、各利益も増益を果たして純利益は +7%となった。
堅実に業績を上げてきている。
2Q期間中は各種展示会に製品を出展し、エンドミルを中心に精密・微細加工に関する情報発信を
積極的に展開、新製品の発表も行った。
合わせて、段取り時間の短縮や最終検査の自動化等、生産効率化に向けて取組んだとしている。
製品別の売上高は、下記の通りとなった。
・エンドミル(6mm以下) :39.37億円(前期比 +12.8%増)
・エンドミル(6mm超) : 5.84億円(前期比 +9.8%増)
・エンドミル(その他) : 3.33億円(前期比 +8.6%増)
・その他 : 3.92億円(前期比 +10.1%増)
どの製品群も売上は増加しており、堅実な需要に支えられている。
また10月10日には、開発センター新設について発表している。
仙台工場に隣接する土地に、開発センター又は新工場棟の建設予定となっていた事案であり
総工費13億円を投資して、製品用の温湿度管理の整った免震2階建ての建物を建設する。
これにより、開発環境の充実と生産技術の向上や自動化を推進するとしている。
また、顧客を招いてのセミナーや従業員の研修施設としても活用する様である。
工期は約1年で、来期中には稼働できそうである。
なお完成に伴い、現在の開発センターは生産拠点に衣替えする計画となっている。
これで来期以降の新製品開発や生産効率化に向けた技術開発は、最新鋭の設備・環境で行われる
こととなる。 独自技術の磨きに一層拍車がかかり、信頼性向上で売上が増えることを期待したい。
11月1日には、シェアードリサーチからアナリストレポート(2Qアップデート版)が発表されている。
<2Qまでのサマリー>
・上期:市場環境も良好で、主力小径エンドミル牽引続く。費用増を増収効果で補う。
・売上:スマートフォン向け鈍化も、主力小径エンドミルの増収基調を維持。
・粗利率:前年比1.1pt上昇。小径比率の上昇や生産効率化の取組が寄与。
・販管費:展示会関連費用や人件費の増加で販管費は9.6%増加したが、増収効果で吸収。
・営業利益率:増収基調が続くなか、営業利益率は27.9%に1.7pt上昇。
ここで粗利率について、注目してみた。 以下は詳細内容の抜粋。
・Q2のQ1比低下は、夏季休暇に伴う工場稼働率低下による。
・Q1は中国・香港向け売上の増加に伴い、香港子会社と連結上の影響が高まり、0.5pt低下。
・小径比率の上昇や、生産効率化の取組が寄与したとみている。
・引き続き、増収効果を享受できる事業構造を保持している。
オリジナル画像が小さいため少々粗いが、粗利率の推移グラフ
画像出所:株式会社シェアードリサーチ
直近では、1Qが最良の傾向がある様だ。 しかし通期では、期を追うごとに着実に上昇している。
同様に、画像が小さいが販売管理費の推移グラフ
画像出所:株式会社シェアードリサーチ
金額は増加しているが比率は一定水準に収まり、僅かだが下落傾向にも見える。
人件費率も少しずつ低下しており、その他の比率も比較的一定水準に抑えている。
販管費率の上昇を抑えて、売上高営業利益率を年々向上させる事に成功している。
最後の「引き続き、増収効果を享受できる事業構造を保持している」という記載が全てを語る。
当社の今後の成長について、半ばお墨付きを得られた様に感じた所である。
次に、決算発表を受けた株価の動きを確認してみる。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は、2018年3月期の3Q決算上方修正直後に 3,750円の天井を付け、その後は好決算にも
反応することなく下落。
現在は、ほぼ1年前の水準に戻っている。
ここから上がるのか下がるのかはわからないが、今期予想PERは 16倍程度である。
今後の成長可能性を踏まえれば、この水準は割安といえるのではないか。
新開発センターの投資結果が収益に反映される時期を楽しみに、投資を続けて行きたい。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00374]
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