コムチュア

3844 コムチュア 通期予想を上方修正・純利益+14.7%、株価は下落

3844 コムチュア が昨日12月18日の大引け後、2019年3月期・通期業績予想の各利益の
上方修正を発表した。

指標毎の修正状況は、下表の通りとなった。

前回予想 今回予想 増減額 増減率
売上高 180.25億円 180.25億円 ±0億円 ±0%
営業利益 22.00億円 25.45億円 +3.45億円 +15.6%
経常利益 22.15億円 25.45億円 +3.30億円 +14.8%
純利益 15.6億円 17.90億円 +2.30億円 +14.7%

従来予想に対する増額率は純利益で +14.7%と、2桁の増額となった。
そして通期のEPS予想は、従来の 106.90円から 122.42円へと増額された。

修正の理由として、

 ・企業のIT投資の中でも、成長領域であるクラウド・ビッグデータ・AI等のデジタルトランス
  フォーメーション領域を中心に事業を拡大。

 ・一丁目一番地の施策である、提案力強化やサービス品質・生産性向上、上流工程からの提案・
  受注に注力しコンサルティング事業の拡大等により、一人当たりの売上高が向上。

 ・またプロジェクト管理の精緻化による不採算プロジェクトの撲滅等により、人件費・労務費・
  システム投資費用等のコストを踏まえても、過去最高益となる見込み。

としている。

相変わらず、業績は非常に好調である。

10月16日には半期予想の各利益を上方修正し、純利益で +24.9%増額している。
今回はそれに続き、通期での上方修正となった。

そしてこの発表を受けた本日の取引であるが、肝心の株価は大きく下げてしまった。


画像出所:YAHOO! JAPAN

終値は、前日比 ▲490円(▲15.24%)の 2,725円である。
利益予想の2桁の増額率に対して、株価下落率も同じく2桁となってしまった。

これまでの株価も、合わせて確認してみる。
同社株式の本日までの日足チャートと四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

現在の株価は、7月5日に付けた 2,572円にあと少しの所まで迫っている。

ここを下回ると、現在の弱い全体相場の状況も加味すると 2,000円程度まではあっという間に
行ってしまいそうな感じである。

通期の上方修正という好材料にも係わらず株価が大きく下げた要因として、同時に発表された
新株予約権の発行が、マーケットに嫌気された様である。

新株予約権を1個当たり 930円で 13,000個発行し、1個に付き100株、合計 130万株が新たに
潜在株式としてカウントされることになる。

いわば、良いIRと悪いIRを抱き合わせて同時に発表した形である。
良くある常套手段であるが、会社はこの発行により40億円以上の資金を調達することになる。

今回の資金調達の目的として、下記を挙げている。

 ・成長領域の基盤強化を狙った業務提携・M&Aについて、過去に行った規模を大きく上回る
  M&Aも視野に入れつつ、以下の企業を対象に検討を進める。

  ①クラウド、ビッグデータ、AI等といった新たな成長領域へのシフトの更なる加速に
   つながる技術を既にもつ企業

  ②余剰人員を抱えて従来領域から脱却できずにいるが、当社のマネジメントに組み込む
   ことにより、高付加価値経営が可能となる技術力をもつ企業

 ・現時点で検討を進めている案件はないが、今後3年間でM&Aに35億円以上の投資を想定。

 ・また、コンサルティングやプロマネ業務の強化に向けた教育・人材獲得に今後3年間で
  10億円前後の支出を想定。

今後の成長領域への加速に向け、M&Aと人材育成・採用のために資金調達を行うのである。

本日のマーケットはネガティブな反応を見せたが、それは単に目先の株式価値の希薄化に
視点を向けた結果であろう。

会社が何のために資金調達を行うのか、その本質を捉えるべきであると思う。
勿論M&Aの対象企業も決まっていないし、それが上手く行くかどうかも未だわからない。

マーケットはその先の未来を、いつ評価しに行くであろうか。

私自身は、新株予約権の発行により調達した資金を活かした今後のM&A結果の行く末が、
株式価値の一時的な希薄よりも大きく勝り、非常に楽しみである。

今回の投資が成功して大きく成長することが出来れば、一時的な株式価値の減少など
取るに足らない事象であると考えている。

それは今後、今回の投資で同社が更に成長して稼ぐ利益が増えれば、最終的には株価の上昇と
いう形で、マーケットにより実証されるであろう。

同社の今後の長期的な成長が、益々楽しみになって来た所である。

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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00391]

コメント

  • コメント (4)

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    • 薄利多売
    • 2018年 12月 21日

    引け後にニュース見てびっくりという、短期売買目線では一番怖いパターンでした。ホールドしていたらTATERU並に喰らっていたかもしれません。タイミングも最悪でしたので暫くは指を咥えて見ているだけになりそうです。

    今回の下げで全部NISAに塩漬けて本格的に休止になりそうです。
    コムチュアが2000円まで下げて、勇気をもって飛びついたら急上昇して助けてくれないかな。。。などと妄想しています。

      • 圭壱
      • 2018年 12月 22日

      薄利多売さん、こんにちは。

      暫くは底無しですね。
      この調子だと、2,000円まであっという間かもしれません。
      どこまで落ちるのかはわかりませんが、その先に期待してホールドです。
      全くここに来て、忍耐力が試される相場ですね。

    • やまゆ
    • 2018年 12月 23日

    久々にコメントさせていただきます。圭壱様とは、銘柄ではIRJのみが重なりますが、バイ・アンドホールドが基本スタイルという点でも共通すると勝手に思い込んでいる、やまゆです。わけのわからないひどい相場がつづきますね。この相場でも、またその先のさらにひどい相場でも、自分が選んだ家族のような銘柄は売りません。ただ、せっかく頑張って業績をあげているのに、それとは全く関係なく売り飛ばされていくさまを見るのはつらいですね。今後更なる嵐に備え、限られた弾薬とライフル銃をもって、匍匐全身して隙をみて抵抗していく、そういった心境です。リーマンショックを耐えたものとして。

      • 圭壱
      • 2018年 12月 24日

      やまゆさん、こんにちは。

      自分が選んだ家族のような銘柄、というのは本当に同感します。
      特にIRJなどはその将来性には本当に期待していますので、
      ある意味、マーケットの評価である株価などはもう度外視ですね。

      私はリーマンショック時点では投資をしていなかったので、その相場環境を
      耐えられた方の言葉は重いです。
      これからも共に、嵐を耐え抜いていきましょう。

管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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