アイ・アールジャパンホールディングス

6035 IRJHD 19年3月期・3Q決算は 16%増益と2.5円増配、株価は下落

6035 アイ・アールジャパンホールディングス が本日1月31日の正午、2019年3月期の
第3四半期決算を発表した。

また同時に、期末配当予想の増配を発表した。

指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。

実績 前期比 通期会社予想 進捗率
売上高 37.20億円 +15.9% 46.00億円 +80.87%
営業利益 11.38億円 +14.0% 13.00億円 +87.54%
経常利益 11.54億円 +15.6% 13.00億円 +88.77%
純利益 7.86億円 +16.8% 8.88億円 +88.51%

1Q、2Q決算に引き続いて、前期比で2桁増益となり好調な業績を維持した。
通期予想に対する純利益の進捗率も、88%台に達した。

今回通期予想は修正されなかったので、通期決算での超過着地の上振れが期待される。

また好調な業績結果を受けて、期末配当予想を従来の 17.5円から 20円に増配した。
毎回増配を続けており、投資家は長期で保有するモチベーションが維持される。

<3Q期間の総括>

・アクティビスト対応での比類なき実績を裏付けに、IR・SRコンサルティング部が受託を拡大。
・AIを活用した資本コンサルティングサービスや、コーポレート・ガバナンス関連の受託が拡大。
・拡充強化した投資銀行部が支配権争奪、M&Aの分野で独立系の強みを活かし受託が増加。

1.IR・SRコンサルティング(売上比率:82.5%、売上高:前期比 +17.2%)

 ・精度、迅速性、圧倒的な実績が評価された実質株主判明調査および議決権の安定行使を図る
  SRコンサルティングサービスが大幅に受託を拡大させ、シェアを伸ばした。

 ・AIを活用しアクティビストリスク分析を行う最先端商品「アクティビスト・アナリティクス」が
  ラージキャップ企業を対象に導入が進んだ。

 ・個人株主対応におけるコンサルティングサービスも、順調に伸びている。

 ・コーポレートガバナンス・コード対応コンサルティングは、取締役会評価、トレーニングでの
  第三者機関の利用が着実に増加。

 ・社外取締役等人材紹介サービスも、着実に受託が増加した。

 ・投資銀行部門は、知見と経験が必要とされる難易度の高い案件を中心に、引き続き堅調にFA・PA
  業務の受託を伸ばした。

 ・証券代行事業は、受託企業は2019年1月31日時点で 77社、管理株主数は 348,318名となった。
  (前年同期は 52社・262,291名)。

2.ディスクロージャーコンサルティング(売上比率:13.6%、売上高:前期比 +16.5%)

 ・資金提供者や機関投資家のESGへの関心の高まりを受け、強みである機関投資家視点を活かした
  ESG開示に関するコンサルティングニーズを確実に捉えた。

3.データベース・その他(売上比率:3.9%、売上高:前期比 ▲7.6%)

 ・個人株主アンケートの受注が減少した。

1997年以来の実績と質の高い実質株主判明調査は、大幅に受託を拡大。


画像出所:株式会社アイ・アールジャパンホールディングス 2019年3月期 第3四半期決算説明会資料

外部企業の助けを借りず、全て自社グループ内で調査を完結する事でデータの信憑性確保や短時間
での調査が可能としている。

主柱のIR・SRコンサルティングについては、受注が伸びた背景として下記の通り記載している。

 ・アクティビストが急速に勢力を伸ばし、ESG投資への気運にも後押しされ、株主議決権を強行に
  活用したガバナンス・アクティビズムが世界的に横行。
 ・この動きは日本にも押し寄せており、上場企業には資本リスクに対する警戒感が一気に高まった。

世界的に機運の高まっている時流のESG投資であるが、この流れを巧みに利用したアクティビストの
活動もまた高まっており、その株主議決権の強硬な行使には予め対策を講じる必要がある。

こうした流れの加速は、今後も当社の事業機会を拡げる事になるのだろう。

またFA・PA業務については、引き続き豊富なパイプラインを有しており、クロージングに向け注力
しているとしており、これらの進捗が今期の最終着地に影響を与える事になる。

※ ESG:Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治
※ FA:Financial Adviser、PA:Proxy=議決権争奪 Adviser

 
四季報新春号の記載。

【成長】
 IR・SRコンサルが実質株主判明調査軸に増勢続く。
 投資銀行はM&A関連想定超。
 社外役員紹介、取締役会評価も顧客開拓進む。
 拠点、人員増こなし営業増益幅拡大。
 20年3月期はESGコンサル成長。

【Jアドバイザー】
 第1号案件で半導体製造装置開発企業の東京プロ市場上場実現。
 M&A関連は日立物流とエーアイティーの提携などアドバイザリー
 参加案件着実増。

各事業の好調さについて、記載されている。

また今回の総括にある、ESGコンサルの成長についても言及している。
東京プロ市場関連も、実績を積み上げる事で今後のビジネスの拡がりが期待できる。

 
次に、これまでの株価の動きを確認してみる。
先ず、本日の値動きである。


画像出所:YAHOO! JAPAN

昨日の終値 1,287円に対し、前場は 1,325円程度で推移し終始 40円程度高であったが
正午の決算発表を受けた後場は開始直後こそ 1,350円程度に上昇したものの、その後は失速。

結局安値引けとなり 1,226円、前日比 ▲61円で取引を終えた。

これまで決算発表に向けてそれほど大きく上昇している訳でもなく、全体相場の強い中でなぜ
これほど売られてしまうのだろうか?

やはりマーケットは、摩訶不思議な場所である。

そして同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

株価は1Q決算発表後に天井となる 2,017円(株式分割後換算)を付け、2Q決算発表に向けて
大きく下落。

その後も一旦持ち直したものの、昨年12月下旬に 1,108円の底値を付けて再び上昇している。

本日の値動きは出鼻を挫かれたが、明日以降また上昇トレンドを継続してくれる事を願いたい。

マーケットの評価はさておき、ビジネスチャンスの拡がりと増配や株式消却などの積極的な
株主還元を今後も期待して、長期的に投資を続けて行きたいと思う。

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管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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