4792 山田コンサルティンググループ が2月8日の大引け後、2019年3月期の第3四半期決算を
発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 88.40億円 | ▲2.0% | 150.00億円 | +58.93% |
営業利益 | 7.66億円 | ▲56.4% | 32.50億円 | +23.57% |
経常利益 | 8.12億円 | ▲54.2% | 32.50億円 | +24.98% |
純利益 | 4.79億円 | ▲56.8% | 21.20億円 | +22.59% |
3Qも業績が加速する事はなく、純利益は前期比 ▲56%と大きく減益となった。
通期予想に対する進捗率も 22%台と、果てしなく遠いゴールとなった。
通期予想は相変わらず据え置いているが、この自信はどこから来るのであろうか。
流石に下方修正するとしたら今回が最後のタイミングであったが、もしも今後大幅な
修正を発表したら、投資家の信頼を少し毀損する事になるかもしれない。
以下は、売上の大部分を占める主力の「経営コンサルティング事業」に関する記載。
・売上高は前期比 ▲6.7%、営業利益は同 ▲73.9%となった。
・マッチング型M&A等、M&A等資本に関するコンサルティングの売上実現が当初計画に
対して大幅に遅れている。
・このため、売上高の通期予想に対する進捗率は、57.4%にとどまっている。
・加えて、人件費、教育研修費、セミナー開催回数増による広告宣伝費の増加により
前期比で減収減益となり、営業利益の通期予想に対する進捗率も 15.0%となった。
しかし、「連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」において、下記の通り記載。
・経営コンサルティング、海外事業コンサルティングの引合いと受注は引き続き増加傾向。
・M&A等資本に関するコンサルティングは、4Qに売上を見込む契約済み大型案件が複数あり
売上実現は不確実ではあるものの、現時点で通期業績予想に変更は無い。
業績予想を達成するか否かの鍵を握るのは、M&A等資本に関するコンサルティングにおける
複数の契約済み大型案件が成功し、3月末までに報酬が支払われるかどうかである。
大型案件が何件あるのかは不明であるが、全ての案件がクローズする前提なのであろうか。
100%達成で初めて予想通りなのであれば、これは更に難易度が高そうである。
何れにしろ、ここまで来ればもう全力で売上実現に向けて突き進むしかない。
まぁここまで来れば、4Qでも未達ならその売上が来期に回る訳であり、その分相対的に
強い来期予想になるだけである。
もう、開き直って行くしかないだろう。
そして来期や将来に向けては下記の通り記載されており、期待出来ると考えている。
・国内のM&Aアドバイザリー業務について、案件の引合い・相談は順調に増えている。
・海外のM&Aアドバイザリー業務については、現在クロージング実績を積み上げている。
・経営コンサルティング型M&Aの実行に向け、顧客が生き残るM&Aを実行する体制を整えた。
・事業承継コンサルティングは、引き続きニーズは高く、案件の引合いは順調に増加。
・海外事業コンサルティングは、特に大手上場企業からの直接受注が増加している。
・海外進出に向けたリサーチ、戦略検討等のニーズが多く、ベトナム進出事案が増加。
また今回同時に、2月15日より株式の上場市場が現在のジャスダックから東証1部に指定替え
となる事を発表した。
まぁいつかはそうなるだろうと思ってはいたので、特段の驚きはない。
好悪材料の抱き合わせであるが、明日からの株価下落の緩衝材となるだろうか。
そして2月1日には、昨年より検討を進めてきた、太陽グラントソントングループとの
業務提携契約を結んだ事を発表した。
グローバルネットワークを有する太陽グループが相互協力することにより、国際性豊かな
人材を多様なキャリアパスを通じて育成し、日本企業の成長に資するとしている。
この提携については直ぐさま業績に反映されるものではないが、将来的な成長に向けて
必ず何らかのプラスになるであろうと考えている。
次に、これまでの株価の動きである。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
今期は1Q・2Qともに大幅な減益であり、株価はその発表の度に大きく下押ししている。
その後は昨年末に向けて下落、今年の大発会に 1,529円の安値を付けた後は上昇している。
相変わらず反発の見えない決算とそれでも4Qで届くという会社からのメッセージ、そして
東証1部への市場変更を、明日からのマーケットはどう評価するだろうか。
決算の度に大幅下落なのでもう慣れっこではあるが、たまには上昇も見たいものだ。
今期は問題の無い着地となる事に僅かな望みを託し、来期の強いスタートを願っている。
また長期的には当然ながらその成長を大いに期待し、これからも投資を続けて行きたい。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00412]
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