2127 日本M&Aセンター が1月30日の大引け後、2019年3月期の第3四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 227.17億円 | +13.8% | 267.00億円 | +85.08% |
営業利益 | 108.25億円 | +4.5% | 125.00億円 | +86.60% |
経常利益 | 108.29億円 | +3.9% | 125.00億円 | +86.63% |
純利益 | 76.52億円 | +4.4% | 84.60億円 | +90.45% |
3Qは、各利益とも前期比での増益を確保した。
通期予想に対する進捗率も、前回3Q時点で加速した55%台(営業・経常利益)および
59%台(純利益)のペースを維持し、純利益では 90%台に到達した。
経常利益の進捗状況グラフ
画像出所:株式会社日本M&Aセンター 2019年3月期 第3四半期決算短信
2Qでターボが炸裂し、その分の貯金がそのまま残っている。
ここまで来れば上方修正が確実に射程圏となり、後はその発表を待つばかりとなった。
更に加速して、グラフが右に大きく突き出ることを期待している。
<3Q期間の主な活動と成果>
・四半期単位で、過去最多となる 220件のM&A仲介を成約(2Qは同212件)
・3Q累計では 605件となり、前年同期の 531件から 74件(+13.9%)増加し過去最多
・コンサルタント数は 330名となり、前期末の 272名から 58名の増員
・理事会員会計事務所は 853事務所となり、前期末の 735事務所から 118事務所の増加
・10月に「日本M&A協会理事総会」を札幌で開催し、総勢約 200名の会計人が参集
・10月より「経営者のためのM&Aセミナー」を東京、大阪、名古屋等全国7ヶ所で順次開催
・”廃業より継承” の視点での成長セミナーを静岡、沼津、浜松で開催、619名の参加申込
提携事務所数の遷移について
画像出所:株式会社日本M&Aセンター 2019年3月期 第3四半期決算説明資料
会計事務所担当の専属要員を投入し、提携事務所を確実に増やしてチャンスを拡げている。
今後も長期間に亘り、その効果は持続するはずである。
子会社アンドビスによるM&Aマッチングサイト「Batonz」について
画像出所:株式会社日本M&Aセンター 2019年3月期 第3四半期決算説明資料
累計ユーザー数は2万人を超え、同サイトを通じた成約件数も1年前の6割増しとなっている。
今後も同じく同社の運営する小規模事業者向けM&Aマッチングサイト「&Biz」と共に、
Webサイトを通じたビジネスチャンスは、着実に成長していくだろう。
また今回の決算発表と同時に、4755 楽天 との協業を発表している。
同社が運営するショッピングモール「楽天市場」に出店する店舗を対象に、事業承継支援サービス
「楽天 事業承継アシスト」を新たに開始するという内容である。
画像出所:株式会社日本M&Aセンター 2019年3月期 第3四半期決算説明資料
同サイトへ出店している約 46,000の店舗(企業)に対して事業承継をサポートし、優良な店舗の
存続を支援する。
これにより、また一つ新たなビジネスルートを確立する事となった。
楽天というビッグネームとの相乗効果で、今後間違いなく新たな案件の掘り起こしが長期に亘り
継続的に行われ、着実に成約という果実を得ることになる。
新たな成長の種が蒔かれ、将来大木に育つのが楽しみである。
また2月5日には、8929 青山財産ネットワークス の自己株式の引き受けを発表している。
同社の普通株式 350,000株(発行済株式総数の 2.93%)を 5億円強で引き受けた。
以前より既に同社株式を保有しており、追加の取得となる。
相互の顧客紹介の他、顧客が第三者への承継を決断する前のフォロー(コンサルティング)の面で、
「経営承継」に加えて「財産承継」を含むトータルでのサポートのニーズが高まっている。
事業承継の支援サービスを展開する同社との資本関係を強化する事より、顧客への提案力や
サービスの向上が図れると判断した様である。
将来的には、5億円の投資効果以上の利益に繋がる良い判断ではあると思う。
是非ともそうなる様に、今後の活動に期待したい。
最後に、これまでの株価の動きをについて。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は、昨年12月26日に 2,029円と辛うじて 2,000円台を維持したまま底を脱出。
3Q決算発表翌日の1月31日は、日経225が 200円超の上昇となる相場環境のフォローもあり
同社の株価も前日比 174円高(+6.84%)と大きく買われ、波乱無く通過した。
その後も上昇傾向が続き、3,000円台の奪還まであと一歩の所である。
このまま 3,500円レベルまで先ずは戻る事を期待しつつ、今期業績の超過着地の幅の上振れと
来期の強い予想、そして将来の成長を期待して保有を続けて行く。
買値に対する配当利回りは低く、PERも相変わらず高い。
しかし、強いビジネス領域で且つトップシェアという強み、加えて次々と効果的な施策を
打ち出し好循環となっている同社の株式を、とても手放す気にはなれない。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00415]
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