2月5日から始まった相場の下落後、8週目が経過した。
2月2日からの各指数の推移を、下図に表す。
NYダウ、日経225、TOPIX、日経JASDAQ、東証マザーズの各指数の終値の推移である。
表示日付は日本の取引日で、NYダウはそれぞれ直前の取引日の終値。
各指数は比較のため、TOPIXは13倍、JASDAQは6倍、マザーズは19倍している。
(※グラフが重なりゴチャゴチャしていたので、TOPIX・マザーズの倍率を共に1つ下げた)
今週は各指数とも、揃って気持ちよく上昇した。
特に日経225と東証マザーズの伸びが大きく、共に拮抗している。
28日は前日アメリカでハイテク株中心に下落があったが、終わってみればNYダウと
TOPIX以外は全て高値引けとなった。
日経225とTOPIXは終わって見れば結局、先週末23日が2月2日以降現在までの大底となった。
2つの小型株指数はそこまで下げてはいないものの、週明けの26日は23日より下げて始まった。
急落前の株価と今週末の株価、およびその割合(今週末 ← 先週末)は下記の通りとなっている。
・NYダウ :2月1日:26,186 → 3月29日:24,103(92.0% ← 91.5%)
・日経225 :2月2日:23,274 → 3月30日:21,454(92.2% ← 88.6%)
・TOPIX :2月2日: 1,864 → 3月30日: 1,716(92.1% ← 89.3%)
・JASDAQ :2月2日: 4,270 → 3月30日: 3,983(93.3% ← 92.1%)
・マザーズ :2月2日: 1,324 → 3月30日: 1,206(91.1% ← 87.3%)
遂に日経225がNYダウを上回り、92.18%まで戻して来た。
そしてJASDAQが唯一、93%台まで戻して来ている。
JASDAQは下落第2波の2月14日までは大きく下げたが、そこからは異常に強く推移している。
今週は株式市場が戻したお陰で私のPFも戻り高値を更新し、2月2日比で97.1%まで戻して
来ている。 満額戻しの頂上まで、あともう一息である。
相場は先週までのリスクオフモードから一転、リスクオンモードに切り替わった様であるが
今後の展開が気になる所である。
投資主体別の売買動向はどうなったかを確認してみる。
下記のグラフと表は、投資主体別の売買動向(先物含まず)である。
画像出所:世界の株価と日経平均先物(株式会社ストックブレーン)
グラフ上の縦点線とポップアップ表示は、3月第4週(3月19日~23日)の投資主体別の売買代金である。
・外国人:▲4,541億円(売り越し)
・個 人:△4,478億円(買い越し)
となっており、3月第3週(3月12日~16日)から売り越し額を再び増やした外国人投資家に対して
個人投資家は前の週の ▲756億円の売り越しから一転、再び大幅な買い越しとなった。
個人投資家は前週までの買い意欲の後退から一転し、したたかにその底値を拾っていたのだ。
株式市場における、いわば草の根運動とでも言えようか。
売り続ける外国人投資家を、大きな懐で全て吸収する個人投資家の構図。
この軍配は、どの様な結末を迎えるのか。 外国人投資家の行動は、いつ変化するのであろうか。
3月第5週(3月26日~30日)のデータは表示されていないが、個人投資家は引き続き、買い越し額が
増えていることが想定される。 どの様な結果になったのか、興味深い。
先週勃発し世界をリスクオフに陥れた米中貿易戦争は、26日には早くもムニューシン米財務長官が
中国製品に高関税を課す事に関し中国と折り合える可能性を示唆し、水面下の交渉に入ったことが
報じられると相場は大きく上昇する展開となっている。
そして北であるが、金正恩委員長が非公式且つ電撃的に訪中し習近平国家主席と会談。
朝鮮半島の非核化に前向きな姿勢を示したと伝えられ、米国との早期の軍事衝突の可能性が縮小した。
そんなのポーズに決まっているではないかと思うが、まぁこれで足元の地政学リスクが後退するので
あれば、株式市場は大歓迎である。
面白いのは双方のメディアが共に自国の主導者が相手に話している所のみをそれぞれ放映し、相手の
発言をメモしている所は全てカットしている点である。
少しでも自国の主導者が対談を主導している印象を国民にアピールしたいという狙いがあるのだろうが、
メンツにこだわる国というのは万事が全て、この調子である。 永久に変わらないだろう。
さて、国内に目を向けると週末に再び嵐が到来して早くも解決(な訳がない)の兆しなど外部要因の動き
にバタバタとしている間に3月期の権利落ちを通過し、実質的な新年度入り相場となった。
そして国会は3月28日に2018年度の予算が正式に成立した。 後半に向け安倍政権、先ずは安堵である。
肝心の支持率は30%台の危険水域に低下したものの、さりとて秋に行われる自民党総裁選へ向けて
これといった対抗馬もいない状況である。 今や “裸の王様” 状態ではあるが、どうなるか。
週明けのマーケットの関心は再び経済動向に回帰しそうであるが、今月下旬から本格化する主要3月期
企業の決算発表で明らかになる、来期計画に対するリスクが顕在化するのか。
各企業はどの様な数字を発表し、投資家はどの様な反応を見せるのであろうか。
いよいよ今月末から、今年の相場展開を占う重要な期間に入る。 固唾を飲んでその動向を見守りたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00222]
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