2428 ウェルネット が4月26日の大引け後、2019年6月期・第3四半期の決算を発表した。
また併せて、未開示だった通期業績予想を発表した。
指標毎の着地状況と通期予想は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 前期比 | |
売上高 | 76.22億円 | +2.7% | 100.00億円 | +2.2% |
営業利益 | 4.49億円 | ▲22.9% | 5.60億円 | ▲17.4% |
経常利益 | 4.70億円 | ▲21.8% | 5.80億円 | ▲18.1% |
純利益 | 3.24億円 | ▲17.5% | 4.00億円 | ▲19.2% |
今期も前期比で経常利益が ▲18%、純利益で ▲19%と大幅な減益予想となった。
今期予想に対する3Qの実績は、それぞれ 81%の進捗率となっている。
<「支払秘書」の状況>
・筑邦銀行、鳥取銀行、仙台銀行と新たに接続を完了。
・北陸電力で新たにサービス開始。
・ピーチアビエーション(航空券購入)で新たにサービス開始。
・ECサイト「Qoo10」で新たにサービス開始。
・「バスもり!」採用路線での本格導入が始まり、適用路線は65路線に拡大。
<「バスもり!」の状況>
・取扱路線は 280に(2Q時点では250程度)。
・増加した、チケットバリエーションの効果も発現。
・今期末に 300路線への適用を目指し、営業活動を継続。
「支払秘書」はその後も、4月23日までに富山銀行、福井銀行、北洋銀行、筑波銀行と新たに
接続を完了した旨、ニュースリリースが発表されている。
「バスもり!」も新たに3月28日に札幌市内~新千歳空港線の全系統、3月29日に北海道恵庭市、
4月4日に富山県加越能でサービス開始するなど、地道に対象路線を拡大している。
将来に向けて着々と種は蒔かれており、何れ収穫時期が来るだろう。
さて、今後について。
当社は現在、中期経営5か年計画(2016年7月~2021年6月)に基づく事業活動を推進中である。
同計画は、「決済スタイルの急速な変化などの環境変化に対応する活動」により、2021年6月期の
経常利益の目標を50億円としている。
その中で、今回下記の記載があった。
<その他の記載>
今回、先行投資として下記の記載があった。
札幌事業所でのシステム開発、運用を担う優秀なIT人材を確保するため、2019年4月に中央区に
約1700坪の土地を購入、2021年夏の移転を目指し社屋建設を開始する。
私は正に2021年6月期の経常利益 50億円の達成を目的として投資を続けているのであり、
その期日まで後2年3ヶ月である。
その大事な時期と、新社屋の移転が重なっている。
・・・大丈夫かな? という想いが少しある。
そしてこれまではその間の株主に配慮し、株価を下支えする施策として 50円配当の保証があった。
しかし今回、この支えが遂に無くなる事となった。
以下、関連する記載である。
<収益予想と株主還元>
中期経営計画中の配当性向を50%以上(一株当たりの配当が50円に満たない場合でも50円を配当)と
する方針としており、2019年6月期の配当額はこの通りとする。
しかし来期以降は、注力している次世代を担う商材の早期収益化、および優秀なIT人材の確保を担う
札幌新社屋建設などへの投資を優先する。
このため配当性向 50%は維持するが、最低配当額(50円)は2019年6月期までとする方向で検討を
進めている。
表現としては「検討を進めている」となっているが、こう書いた以上もはや確定であろう。
つまり、仮に来期も今期と同様に経常利益:5.8億円、予想EPS:21.36円と同額だとすると、
配当額は 11円に満たない程度となる。
経常利益と配当性向 50%の場合の、想定される配当額は下記の通りとなる。
・経常利益:10億円 → EPS: 36円 → 配当額:18円
・経常利益:25億円 → EPS: 90円 → 配当額:45円
・経常利益:28億円 → EPS:100円 → 配当額:50円
・経常利益:30億円 → EPS:108円 → 配当額:54円
・経常利益:40億円 → EPS:144円 → 配当額:72円
・経常利益:50億円 → EPS:180円 → 配当額:90円
少なくとも、早期に経常利益 20億円台には持って行きたいが、どうなるだろうか。
次に、これまでの株価の推移について。
下図は、同社株式の週足チャートと四半期決算における純利益の推移である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は2018年12月25日に 866円の底を付けた後は、2月18日に 1,125円の高値を付けて
その後は 1,000円台で小刻みな値動きを続けている。
しかし今回の発表により、3桁台への陥落は確実であろう。
そして落ちる所まで落ちた後は、最後の50円保証配当の権利落ちとなる6月26日までは
短期の配当狙いの投資家と、今後の成長を期待した投資家による力比べとなりそうだ。
私としてはもうここまでくれば、これまでの地道な種蒔きが実となり経常利益 50億円に
近づくまでは、引き続き投資を続けて行こうと考えている。
社会に役立ちたいという想いが強い企業であり、株主として応援を続けて行きたい。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00438]
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