4792 山田コンサルティンググループ が5月8日の大引け後、2019年3月期の本決算を発表した。
指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。市場のコンセンサスも併記。
実績 | 前期比 | 会社予想 IFIS予想 |
最終着地率 | |
売上高 | 134.00億円 | +2.2% | 132.00億円 139.00億円 |
+101.52% +96.40% |
営業利益 | 23.08億円 | ▲20.8% | 23.30億円 30.50億円 |
+99.06% +75.67% |
経常利益 | 23.54億円 | ▲18.2% | 23.60億円 30.50億円 |
+99.75% +77.18% |
純利益 | 15.99億円 | ▲13.6% | 15.40億円 19.80億円 |
+103.83% +80.76% |
<決算短信より>
_・人件費の増加等で販管費が 5.92億円増加(+7.15%)し、営業利益は減益に。
_・経営コンサルティング事業で、売上見込の数件の大型成功報酬案件が売上計上できず。
__この結果、期初予想に対する達成率は売上高: 87.7%、営業利益: 66.0%となった。
前期はもう、惨憺たる結果で終わった。
3月29日に業績予想を下方修正したにも係わらず、営業利益・経常利益は未達で終わった。
純利益は 103%と超過着地したが、そもそも期初予想に対しては 75%での着地である。
そしてマーケットの期待には全く届かず、コンセンサスに対する最終着地率は営業利益および
経常利益は 70%台、純利益は 80%台と厳しいものとなった。
この結果を受けて、翌日には日系大手証券がレーティングを引き下げている。
いつも通期では帳尻を合わせて来るので今回ももしかしたら・・・とかすかな望みを持って
いたが、3Q決算の進捗率が純利益:23%(下方修正前)ではやはり奇跡は起こらなかった。
売上の9割を占める経営コンサルティング事業がこの結果では、もう為す術がない。
_
また、同時に発表した2020年3月期の業績予想は下表の通りとなった。
市場のコンセンサスも併記した。
今期予想 | 前期比 | IFIS予想 | 前期比 | |
売上高 | 154.00億円 | +14.9% | 142.00億円 | +6.0% |
営業利益 | 30.00億円 | +29.7% | 32.00億円 | +38.7% |
経常利益 | 30.00億円 | +27.4% | 32.00億円 | +35.9% |
純利益 | 20.00億円 | +25.0% | 20.80億円 | +30.1% |
<決算短信より、経営コンサルティング事業における状況>
1.経営コンサルティング
_・案件の引合いは、引き続き順調に推移している。
_・地方企業の極端な人材不足には、事業戦略・組織戦略面のコンサルティングが有効。
_・地方企業の資金繰り悪化により、事業再生コンサルティング案件が増加すると見込む。
2.M&A等資本に関するコンサルティング
_・アドバイザリー業務は、国内は案件引合い・相談は増加。
_・事業承継コンサルティングは、事業承継ニーズは高く案件引合いは増加。
_・引き続きメガバンク・地域金融機関との連携を強化し、案件発掘に注力する。
3.海外事業コンサルティング
_・既存金融機関の紹介に加え、セミナー等が奏功し企業からの引合いが増加。
_・海外進出に向けたリサーチ等のニーズが多く、特にベトナム進出事案が増加している。
_・連結子会社のハノイ支店を、2019年6月に開設する予定。
経営コンサルティングとM&A等資本に関するコンサルティングは引き合い増加であり、
期ズレの大型案件のクローズと、進行中案件の刈り取りを確実に成し遂げてほしい。
海外事業コンサルティングにおけるリサーチ等案件は、長い目で今後の事業化に期待。
_
純利益は前期期初の予想が 21.20億円、着地が 15.99億円でその差は 5.21億円である。
だから前期低迷の原因が大型案件の期ズレなら、本来は何も考えずに単純には
_15.99億円 + 5.21億円 = 21.20億円
程度が標準となる。
予想が 20.00億円とそれより低いのは、やはり販管費の高騰ということなのであろう。
前期のPLを勘定科目毎に前々期比で表すと、
_・売上高 :+ 2.21%
_・売上原価 :+ 16.08% +3.06億円
_・売上総利益 :▲ 0.14% ▲0.16億円
_・販管費 :+ 7.15% +5.92億円 <—–トドメ
_・営業利益 :▲ 20.87%
_・営業外収益 :+238.63% +0.40億円
_・営業外費用 :▲ 78.01% ▲0.41億円
_・経常利益 :▲ 18.26%
_・特別損失 : 0.00% ▲0.23億円
_・法人税等 :▲ 27.68% ▲2.75億円
_・純利益 :▲ 13.65%
売上高以上に原価が増え、売上総利益は逆に減益に。
これに販管費の増加(約6億円)の影響が大きく、ダイレクトに営業利益が減少に。
営業外収益の増加と営業外費用の減少、前期あった特別損失は何れも金額が小さく、
とてもその穴埋めには至らない。
今期も、人件費、教育研修費、セミナーの開催回数、広告宣伝費を如何に効果的に
配分して、費用を抑えていくかにかかっている。
上手い経営の舵取りで、ぜひコンセンサスをも上回る着地を達成してほしい。
_
最後に、決算発表までの株価の動きを確認してみる。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は1月4日の大発会に 1,529円の安値を付けた後は、開き直った? のか上昇を開始。
3Q決算の減益着地も気にせず上昇を続け、3月29日発表の下方修正にも陽線で反応。
本決算発表翌日の9日も陽線で戻したが、レーティング変更を受けて10日は下げた。
今期の 25%増益を最低ラインとして コンセンサス 30%予想に近づく進捗を叩き出せば、
マーケットの見る目もまた違ってくると思う。
前期の遅れをぜひとも挽回し、成長街道をひたすら走り続けてほしい。
これからも、長期投資で応援を続けて行くつもりである。
<ブログ村ランキングに参加中。ランクアップにご協力下さい(→ありがとうございます)>
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00447]
この記事へのコメントはありません。