投資全般

大手証券に初めて口座を開設、非効率性を痛感

今回、来たる相場下落時の追加投入用資金の場繋ぎとして、IPO及びセカンダリーへの
投資に向けた準備を始めている。

従来は、ネット証券 5社と取引を行っていた。

その内訳は、長期投資用に 3社、割切投資用に 1社である。
残り 1社は新たな長期投資用としてこの春に開設しているが、まだ入金はしていない。

そして今回、IPO用として最終的に 5社に新しく口座を開設した。

内訳はネット証券が 4社、そして大手証券会社が 1社である。
全国に支店のある伝統的な証券会社であり、そこにネット取引専用の口座を開設した。

ネット取引専用とはいえ、従来型の大手に口座を作るのはあまり気が進まなかったが
やはりIPOの主幹事・幹事になる割合を考えると、1社は作った方が良いと判断した。

本当はもっと真剣に取り組むのであれば、敢えて手数料の高い対面取引の口座を選択し
ある程度の資金を預けて担当者と懇意になり、成績のためにダメ投信も買う。

そうすれば、発行株数の少ない銘柄の公募株式も割り当ててくれるのだろう。

しかしそこまで面倒な事、人間関係を持つ気は最初からないので、対面取引よりは
割当て率の低いネット口座の開設に留めている。

_
さて、6月1日から2日の土日にかけて上記の 5社に口座開設を申し込んだ結果は、
下記の通りとなった。

<ネット証券4社>

手続きは全てネットで完結し、本人確認書類の提出も画像をアップロードして完了。
実に簡単である。

そして、ログインに必要なIDとパスワードが記載された口座開設通知書の簡易書留も
最短で 2営業日、最遅でも 5営業日で発送されている。

つまり、手続きから概ね 1週間程度あれば、口座が開設されてログインが可能となる。

また簡易書留の同封物も、封書サイズの簡易説明書が付いている程度である。

まぁネット証券の口座開設手続きはどこもこんな感じであり、それが当たり前のため
特にどうという事はない。

ネット証券はWebサイトやアプリ、メール等を通じて顧客とのコミュニケーションを
取るため、印刷物の発行は最低限に絞られる。

非常に効率的であり、ユーザーもそれで特に不便は感じない。

ただ 1社、口座開設通知書の郵送方法が徹底していた。

郵便局から「本人限定受取郵便物 特定事項伝達型 の到着のお知らせ」と題した
事務連絡の封書が届き、何だろうと思い開封すると以下の内容が書かれていた。

_・当該証券会社から本人限定の受け取りで郵便物が届いており、保管している。
_・受け取り時に、指定した中から1つ本人確認書類の提示が必要。
_・希望する配達日時と、何を提示するのかを連絡してほしい。
_・本人確認書類の氏名と住所を郵便物と照合し、相違したら渡せない。
_・差出人に提示するため、配達証への押印も必要。

郵便局に連絡し、希望日時と運転免許証を提示する旨を伝えると、免許証の番号まで
聞かれた。 そこまで徹底するのか、と思う位の厳重さである。

確かに、中には同居する家族が受け取り家庭内不和となる場合もあるのかもしれない。
信用取引で大損中の旦那が、奥さんに内緒で追加の口座を作ろうと・・・笑えん。

この種の郵便物は初めてで、日本郵便にこんなサービスがある事を初めて知った。

_
<大手証券会社1社>

対して、リアル大手証券会社のネット口座である。

まず、ネットでは一連の申込みは完結しない。
ネットで出来るのは、申込み書類一式の郵送までである。ガクッ。

そして手続きを終えて待つ事1週間、待望の申込み書類が送られて来た。
A4サイズの封書で厚さは 1センチ以上あり、先ずはその仰々しさに驚く。

バーン! これでどうだ、という感じである。
早速開封して見ると、

_・返信用封筒
_・挨拶文
_・総合取引申込書
_・総合取引申込書の記入例
_・マイナンバー、本人確認書類の解説
_・マイナンバー提供のお願い
_・最後に確認下さい(提出書類)
_・内部者登録制度について
_・外国口座税務コンプライアンス法に関するお知らせ
_・マネーロンダリング及びテロ資金供与対策について
_・受渡日が1営業日早まります
_・MRF交付目論見書
_・MRF目論見書補完書面
_・銀行代理業者としてのお知らせ
_・NISA口座開設届出書
_・NISA口座開設の流れ
_・NISAご利用に当たってのご留意事項
_・NISAパンフレット
_・ネット口座パンフレット
_・契約締結前交付書面集
_・約款・規定集
_・スタートガイド

返信用封筒以外は全てA4サイズであり、とにかく凄い物量である。
そして殆どがカラー印刷された綺麗な仕上がりであり、もの凄く経費がかかっている。

中でもマイナンバーと本人確認書類は、くどいほどイラスト入りで解説されている。

何故かネット口座と対面口座で、必要な本人確認書類の組合せが異なる。
このため、間違える人が多いのであろう。 統一すれば良いのに。

そしてご丁寧にも、 ”最後にもう一度確認下さい” のパンフレットまである。

それから、様々なお知らせ。

_・マイナンバー提供のお願い・・・ハイハイ、だから言われるまま出しますって。
_・内部者登録制度について・・・非上場企業のサラリーマンです、ハイ。

_・マネーロンダリング及びテロ資金供与対策・・・ハイハイ、ワカリマシタ。
__当事者は、この類いのパンフレットなど絶対に読まないだろうけど。

_・受渡日が1営業日早まります・・・ご丁寧にどうも。

_・MRF関連・・・ほとんど気にしていません。
_・NISA関連・・・すいません、ご丁寧に。 他でやってますので。

_・ネット口座パンフレット・・・ハイ、内容は存じ上げております。

契約締結前交付書面集、約款・規定集は、それぞれ50ページ前後の大作である。
絶対読まない約款も、比較的大きな字で書かれている。

スタートガイドは、口座開設方法やその特徴、取り扱い商品、取引の流れなど。
そのほとんどは、Webサイトを読めばわかる内容である。

結局、総合取引申込書の記入例を多少見ながら記入し、本人確認書類を確認した
程度であった。

マイナンバーと本人確認書類は「A4用紙にコピーし、切り抜かない」と指示が細かい。

手元にはB5用紙にコピーしたマイナンバーがあったのだが、このまま提出したら
面倒な事になりそうだったので、仕方無くコピーし直した。

書類を提出する本来の目的から言えば、全体が確認出来れば問題ないはずである。
自らの事務処理のやり方を、顧客に押し付けている様にも見える。

_
不必要とも思える豪華な書類の数々は、証券会社に初めて口座を作る人にとっては
丁寧な内容なのかもしれない。

しかし例えば、取引経験10年以上の人に初歩的な書類を同梱したり、他の金融機関で
NISAを開設済みの人に関連資料を同梱する事は、無駄である。

Webサイトに入力した(強制的にさせられた)アンケートの内容を活かして、顧客の
ニーズに合う書類に限定するなど、経費削減に向けた工夫が必要ではないか。

_
そして書類が届いた当日中に申込書に記入し翌朝投函したのだが、口座開設通知書の
簡易書留が届いたのは、それから約1週間後であった。

つまり、最初にネットで申し込んでからログイン出来るまで、約2週間を要したのだ。
ふー、長かった・・・・

お陰で間に合うかもと期待していた銘柄のブックビルディングは、間に合わなかった。

_
また、店舗型の大手ならではゆえの小回りが効かない点もある。

私はリアル銀行 3行とネット銀行 4行に口座を持ち、目的により使い分けている。
しかしこの証券会社と提携しているネット銀行は、僅かに1行のみであった。

・・・昨今のネット証券なら、全てが常識である。

振込による入金なんてご免であり、まぁ 1社でも即時反映可能なら良かったと思う事に。
そして昨日金曜日の 20時頃に、ネット銀行から送金した。

一連の手続きを終えて銀行側ウィンドウの終了ボタンを押したが、買付余力が 0円のまま
更新されていない。

あれ? おかしいなと思い入金履歴を確認すると・・・
ガーン、余力反映は月曜日の朝になるとのメッセージが。

改めてWebサイト(送られたパンフレットは開くのが面倒で見なかった)を良く見たら、
15時以降の送金処理の口座反映は、翌営業日との記載が。 ガクッ。

今時のネット証券で、即時反映じゃない所なんて皆無だろう。

やはり規模が大きく固定費の掛かる支店を抱えている身では、全てにおいて小回りが
効かないのだろう。

ネット口座の利用者が何を求めているか?

そのニーズを全く吸い切れていないか、実行に移す経営資源が無いか、その判断すら
なされていないか、の何れかであろう。

先ずは対面取引口座とネット取引口座を混在させた「スタートガイド」の位置付けや
その構成から、見直しが必要である。

バブル崩壊後の大手の廃業や経営統合を経て現在に至る大手証券会社であるが、銀行の
それと同じく、ビジネスモデルの変革は待ったなしである。

台頭するネット系に飲み込まれないためにも、「A4サイズ以外は受け付けません」等の
親方日の丸的な態度からは、1日も早く脱却しなければならない。

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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00465]

コメント

  • コメント (2)

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    • happyalife
    • 2019年 6月 15日

    N村証券なんか、しょーもない不備の指摘とともに、すべての書類を送り返してきましたからね。
    さらには、マイナの書類黒塗りまでしてですよ。

    まあ、IPOのゼロ円申込にしか使ってませんが。
    因みに当たったことないですよ笑

      • 圭壱
      • 2019年 6月 16日

      happyalifeさん

      コメントありがとうございます。

      正にお役所仕事ですね。
      目的や本質に沿って判断し、柔軟な対応をお願いしたいものです。
      時代の流れや顧客のニーズに背を向けたままでは、何れ淘汰されてしまうかもしれませんね。

管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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