6055 ジャパンマテリアル が8月8日の14時過ぎ、2020年3月期の第1四半期決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。市場のコンセンサスも併記。
実績(億円) 前期比(%) 対通期会社予想 進捗率(%) |
通期予想(億円) 前期比(%) 直近進捗率(%) |
|||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 会社 | IFIS | |
売上高 | 79.61 ▲5.2 +20.95 |
– | – | – | 380.00 +5.8 +20.95 |
390.00 +8.6 +20.41 |
営業利益 | 12.31 ▲42.4 +15.01 |
– | – | – | 82.00 +3.7 +15.01 |
87.00 +10.1 +14.15 |
経常利益 | 12.28 ▲42.7 +14.98 |
– | – | – | 82.00 +3.5 +14.98 |
87.00 +9.8 +14.11 |
純利益 | 8.32 ▲43.8 +14.73 |
– | – | – | 56.50 +2.5 +1473 |
60.50 +9.7 +13.75 |
非常に厳しい数字が並ぶ結果となった。
純利益ベースでの通期予想に対する進捗率は 15%にも届かず、僅か6分の1以下である。
会社は中間・通期共に予想を変更していないが、2Q(純利益:24.50億円 ▲16.9%)に
対する進捗率は、34%でしかない。
通期に対し 43%程度の2Q予想に対してなお 34%という事実から、通期下方修正が濃厚となった。
<決算短信より>
・オペレーション部門は、半導体工場の生産活動が拡大して半導体製造装置メンテナンス、
_超純水プラント運転管理請負業務・メンテナンスを中心に堅調に推移。
・イニシャル部門は、主要顧客のNANDフラッシュメモリ工場で取引工場での新規設備投資が
_2019年3月期後半から減速。新設工場は、設備投資に伴う供給配管施工のコスト増が影響した。
業界の見方として、スマホ市場の鈍化や半導体メーカーの設備投資抑制、一部生産調整が
あるが、IoTや5GによるDC向け・車載向け増加により、半導体需要は回復するとしている。
しかし僅か ▲5%の減収で、なぜ利益が ▲43%と大幅減益となったのか。
<損益計算書より(単位:億円)>
_________今期 前期
_・売上高__:79.61__84.00
_・売上原価_:60.59__56.20 <— +4.4億円、影響大
_・売上総利益:19.01__27.80
_・販管費__:_6.70___6.43 <— +0.3億円、影響小
_・営業利益_:12.31__21.36
やはり、売上原価の増大による影響が大きい。
売上高の減少をものともせず、加速して増えている。
金額は 4.4億円も増え、売上原価率は前期の 67%から 76%と大きく上昇している。
販管費の上昇は僅かに抑えている事から企業の活動コストの削減には努めている事が伺われ、
結果として、文中にもある供給配管施工のコスト増の影響を大きく受けている。
原価高騰は米中貿易摩擦の影響もあるのだろう、施行に必要な材料・部品の購入コストの削減を
より一層、図る必要がありそうだ。
_
次に、これまでの株価の動きを確認してみる。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は、5月14日に発表された今期の増益率予想が +2.5%と大きく減少した事で下押しし
その後は高値を取りに行ったが、全体相場の下げもあり再び下落、発表当日は▲94円安。
今更ながら、前期の四半期好決算が続く中で値位置をもっと上にしておきたかったが
残念ながらそれは叶わなかった。
ブレーキの掛かる売上高とコストの上昇で板挟み状態であるが、今後少しでも進捗率を挽回し
マーケットに好印象を与えるしかない。
今は苦しいが、今後も世の中全体で見れば半導体の役割は増すばかりで減る事はない。
これから歩むだろう長い成長期間の中で、現在は特殊な状況下における一時的な停滞期だと
考え、今後も長期投資で臨む予定である。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00489]
残念な決算でしたね。
韓国への輸出規制強化によって、韓国勢のシェア低下は避けれません。
キオクシアとマイクロンには、シェア獲得に向けて投資の増加を期待したいところです。
銀狐さん、初めまして。
コメントありがとうございます。
韓国は厳しそうですね。
当社も厳しい結果となりましたが、環境の先行きが見えない今は我慢のしどころです。
何れ晴れ間が見えてくる日を待ちながら、暫くは辛抱したいと思います。