コラボス

3908 コラボス 会心の売り

以下は 2016年11月の出来事であるが、今後自分が振り返るために記憶のある内に整理し、
記録しておく。

尚、株価記載は全て当時のものである。

3908 コラボス を 2015年12月に 5,000円で買い保有していた。

同社はコールセンターのクラウドシステムを運営しており、契約後は月々の運営保守料が
取れるストックビジネスである。

技術的な参入障壁は高くはないものの、クラウドでは一番手で先行しており、また委託先と
一旦契約してしまえば、システム上に通話データが日々蓄積される。

このため、データを自社のマーケティングや改善等に活用したい委託先企業は他社への
乗り換えが中々し辛い。

安定的に売上を伸ばしていけると判断し、購入したのである。
しかし、振り返るとその購入時期が早すぎた様である。

2015年3月にマザーズにIPO後、一旦下落後に7月に天井を付け、そこから正に下落している
最中に購入したのだが、その後も下落トレンドが継続し、底を打ったのが2016年2月であった。

その後はトレンド転換してようやくボックス相場に移行したが、今度は買値付近がボックスの
上限となってしまい、常に含み損を
抱える事となり、もどかしい状態が続いた。

これは同時期に購入した 3910 エムケイシステム も同様である。

この頃はボックス相場が続く中で、
「買いタイミングで失敗した。 何れ業績の向上と共に株価も浮上するだろうが、タイミングが
合えば一旦薄利で処分し、仕切り直ししよう」

と漠然と考えていた。

そしてジリジリしながら待つ事11ヶ月。 2016年11月21日、その日を迎えた。
当日の大引け終了後、会社からIRが発表された。 その冒頭部分。


(以下、省略)
画像出所:株式会社コラボス

思わず興奮し鼻血が出そうになるが、待て待て。 落ち着け。
ここは冷静に考えなくてはならない。

自分の手元に、買いタイミングに失敗して保有期間中の98%(体感)が含み損状態の玉がある。
そこに大きな材料が突如舞い込み、1日にしてプラチナチケットに豹変した。

ここで考えた事は、

・格上且つ超有名な、 3938 LINE との提携。
  ↓
・従来の買い検討者が一気に買いを決断し行動する可能性。
・LINEサイドの投資家からの買いも、ある程度は期待出来る。
  ↓
・提携による具体的な効果や、企業の行動時期はまだ未知数。
・ましてや、それが業績に反映されるなどいつのことやら。
・よって、賞味期限は非常に短い。
  ↓
・今回のチャンスは千載一遇。 絶対にモノにする必要がある。

であり、この時点で絶対に納得の行く値段で売る事を決心した。 後は、売るタイミングである。

ここで売買注文に関する私の置かれた環境であるが、私はサラリーマンであり、勤務先は
システム関連会社である。

勤務先は流行りのISMSでセキュリティにうるさく、私物の携帯機器は一切持ち込めない。

セキュリティエリア外の私物用ロッカーに入れるのだが、建物が異常に広くロッカーは建物の
入り口1階にあり、執務室は上層階。

会社PCで接続などしようものなら、プロキシサーバの接続ログに記録され忽ち御用である。

つまり、注文は一度セットしたらザラ場は変更する事が出来ないのだ。
勿論、注文自体しなければ出社したら後からは発注も出来ない。 慎重に検討する必要がある。

以上を踏まえた上で、行動する。
発表当日の終値は、4,670円。

材料の大きさからいって先ず初日は行動せず、様子を見る事とした。
 

<翌日22日>

さて翌日である。
少し高い所で寄り付き、ストップ高で引けた。

 ・始値 :  5,020円
 ・安値 :  5,000円
 ・終値 :  5,370円
 ・出来高:  22,000株

ストップ高となったが、ザラ場中に寄り付いた割には出来高が少ない。
直近の5倍程度でしかない。

これはまだ本日の様子を見ている投資家が多いのではと判断し、まだ初動に過ぎず、材料を
織り込めていないと判断。 そしてストップ高した事で、注目度は高まるはずと予想した。

掲示板の書き込みは強弱が混合。
材料の大きさからいってまだ行動せず、引き続き様子を見る事とした。
 

<2日目24日>

祝日を挟んで2日目を迎えた。
果たして。。。

 ・大引けストップ高比例配分 : 6,370円
 ・出来高 : 3,500株 

やっと波が来た。
これで今夜中に一気に注目され、明日はそれが結果に現れると確信。

いよいよ行動に移す時が来たのである。
勝負所が到来したため、改めて熟考する。

本日大引け後の結果を見た、全ての関心を持つ投資家の潜在的な買い・売りのニーズを
予想しなくてはならない。

買いたくても買えなかった投資家はどの位か?
売るチャンスを虎視眈々と伺っている投資家はどの位か?

掲示板は、

 「頼むから売ってくれ!」
 「何で売ってくれないの」
 「どうしてもほしい!」
 「明日は絶対買わせて」
 「買いたい!買いたい!買いたい!」

といった書き込みで溢れていた。

そのほとんどが、強気の書き込みであった。
ほんの数日前の、汚い罵詈雑言だらけの内容とは一変していた。

これは考えてみれば当たり前である。

売り時を舌舐めずりをして今か今かと伺っている投資家は、多くの肉食の動物・虫・鳥・魚が
そうである様に、物陰でじっと息を潜め獲物が近づいてくるのを待ち構えている。

わざわざ自分から「売りたい!」などと書き込んだりはしない。

長期の下落トレンドとその後のボックス相場により、私の様に「やれやれ売り」をしたい投資家
は多いはずだ。 潜在的な売り圧力は強い。

また、考慮しなければならない重要な事項として、4日目の週明け28日は株式2分割後の初売買日
であり、小口の売りが多くなる事も懸念材料であった。

以上を鑑み、自分の結論を出した。

 ・明日は上昇3日目である。 トレンド転換の可能性がある。
   ↓
 ・明日はストップ高はしない。 そして天井を付ける。

結論が出れば、後は指値だ。
前述の様に、ザラ場中の指値変更は出来ない。 一発勝負である。

 ・7,370円 → 絶対に無い。
 ・7,300円 → 可能性はあるが、リスク大き過ぎ。
 ・7,200円 → この辺か。 多分いけそう。
 ・7,100円 → 安全圏。 絶対行く。

7,200円にするか 7,100円にするか、最後まで迷った。

迷った結果、発表当日に結論付けた、「今回のチャンスは千載一遇。 絶対にモノにする必要がある」
をもう一度自問した。

私は意を決して、売り注文の指値金額欄に「7,100」と入力し、
発注ボタンをクリックした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

その結果は。。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

<3日目25日>

運命の3日目を迎えた。
神様お願い。

果たして。。。


画像出所:YAHOO! JAPAN


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

この日の高値は 7,350円。 ストップ高にあと 20円であった。

また、実際の天井は週明けの28日に付けた2分割後 3,700円(分割前 7,400円相当)であったが、
これは事前には神様のみが知る内容であろう。

私は長期投資を行っており、短期の株価を考える事は普段あまりない。

勿論、買う時は少しでも安く買いたいので当面の下値を予想し下に指値を出す事はある。

しかし今回は短期決戦で売り抜く必要があり、検討した結果が大体自分の想定通りに上手く進み、
良い結果を残す事が出来た。

時々はこの様な事態に備え、普段から売買しないまでも株価予想をし、トレーニングを行う
必要があるのかもしれない。

尚、当社に対する見方は今でも変わっていない。
今後大きな投資をしていく様なので、暫くは株価も冴えないかもしれない。

資金とチャンスがあれば、また改めて仕込みたい会社である。

[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00039]

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管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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