投資全般

会社の飲み会で口が滑り、株の話しをした結果

私の勤務先は、上場企業のグループ会社である。

社員は 200名にも満たない、非上場の比較的小さな企業である。
その程度の規模なので、先日「社長との懇親会」が人事部により企画された。

部単位で社長を囲んで情報交換するという、全く迷惑な飲み会である。

当日は部の社員全員と本部長の、合計10人程度で参加した(BPが多く社員数は少ない)。

すると親会社の今後とか業績とかそんな話題について話していたのが、途中から
何やら株の話しになった。

持株会に入っているが、損しているとかいう会話の流れでそうなったのだ。
話しに参加していたのは社長と本部長、直上席と私の4人である。

もう会の終盤に近かったので、他の参加者はそれぞれ別の話題で盛り上がっていた。

すると本部長が、持株会に入っているか? と聞いてきたので私は「入っていない」
と答えた(親会社の従業員持株会に、グループ会社の従業員も加入できる)。

グループ企業の人事ではよくある様に、社長も本部長も親会社からの出向社員である。

親会社の社員でもある上席者に対し、親会社の株を持っていないというネガティブ発言と
話しがそこで終わってしまうという気まずさから、よせばいいのに、

「他の株は少しやってますが・・・」などと余計な事を言った所、

本部長「何かオススメの銘柄ある?」

・・・ほーらおいでなすった。 全くこれだから、人前で株の話しをするのは嫌なのだ。

圭壱「勿論ありますよ。○○○(親会社名)ですね (^^;」

本部長「そりゃぁわかっているさ! 圭壱さんの持っているご推奨を聞いているの!」

・・・いやー困った。 このままでは許してもらえそうにない。
何か1銘柄でも答えないと、話しが先に進みそうもない。

勿論、この場合の「オススメ」とはつまり、「短期間で騰がる銘柄」の事である。
間違っても、「2~3年後に開花する銘柄」ではない。

その辺りは、心得ているつもりだ。

一般の人と株の話しをする時に、長期投資だの成長株だのと言っても通じない。
全ての個別株は日経平均株価と連動すると思っているのが、一般人である。



この飲み会が行われたのは、7月30日であった。
(だからこの夜、2127 日本M&Aセンター、6080 M&ACP の決算記事を書けず)

よりによって、こんな四半期決算発表のド真ん中で何かを挙げなければならない。

えーっと、直ぐに騰がる株、明後日に爆騰する株・・・

そんなのわかる訳がない、ネットで検索して、「明日の急騰銘柄教えます!!」を
クリックして下さい (^^

などと答える訳にも行かず、酔った頭の中で、瞬時に想いを巡らせる。
社長も聞いているのだ、失敗する訳には行かない。

安全策なら 2317 システナ(25日発表済み、業績↑ 株価→)だが、インパクトが無い。
31日に発表予定の 3844 コムチュアも、システナの反応を見ると期待できそうもない。

29日なら良かったが、2127 日本M&Aセンター と 6080 M&Aキャピタルパートナーズ は
当日の大引け後に発表しており、もう手遅れである。

もうこうなったら、アレしかない。
8月2日の昼に発表予定の、6035 アイ・アールジャパンホールディングス である。

私は同銘柄を挙げ、端的に説明した。

・従前の株式持ち合い制度の崩壊。
・外国人投資家(アクティビスト)の台頭。
・コーポレートガバナンスの制度過渡期。
・投資銀行(M&A)の飛躍。

しかし同時に、釘も刺した。

・前期本決算でストップ高、その後も上昇。
・従って相当織り込んでおり、マーケットのハードルは非常に高い。大幅安も。
・くれぐれも、自己責任で判断してほしい。

本部長はへぇーと聞いていたが、「機会があったら検討しておくよ」とだけ言った。

直上席はこの間はほとんど会話に参加せず、社長はふんふんと聞いていたが、特に
コメントなどは無かった。

そして株の話題はこれで終わりとなり、別の話題へと移って行った。
(会社の飲み会は、果てしなく長い・・・)



その後の同社の躍進は今まで記事に書いた通りだが、8月2日の午後、社長からメールが。

「圭壱さんの情報を基に、31日に 2,850円で 1,000株、投資させて頂きました。
後場は値が付いていないので、ストップ高になるかもしれませんね。」

飲み会の場ではコメントの無かった社長であるが、しっかりと翌日には約定していたのである。

しかも、300万円近い投資金額だ。
中々やるなぁー、社長さん。

私は、「素晴らしいご決断をされました。今後も成長すると考えております。」と返信した。

社長が今も保有していれば、52%・149万円の含み益である。
オススメ銘柄としては、まさに短期急騰を果たしたので大成功であろう。

_
それから当日は会話に参加しなかった私の直上席であるが、その後メールが来た。

「投資に興味があるか、何から手を付けて良いかわからない。持株会は個人でやるより安全だと
思うが、貯金のつもりで始めたいがどうか?」

私は、次の様に返信した。(要約)

「持株会はドルコスト平均法で有利だが、一方では勤務先との集中投資に近い。長期投資に向く
投資信託を厳選(ダメ投信が圧倒的に多い)し、定額で積み立てる事を検討しても良い。」

「株式投資は貯金とは全く異なる。出資であり、投資先の企業に返還義務はない。」

_
私の提案に直ぐに反応し果敢に行動した社長と、(恐らく)行動はしていない本部長、そして
この会話を機に、投資の第一歩を踏み出そうとしている直上席。

行動は三者三様であるが、とにかく私としては アイ・アールジャパンホールディングス が
8月2日にコケなくて本当に良かったと、今更ながら胸をなで下ろしている。

そして勤務先などで株の話しをするのは、やはり難しいものと改めて認識したのである。

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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00500]

コメント

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  1. 圭壱さん,おはようございます。
    やまゆです。当方拙ブログをリンクいただいて,おかげさまで,こちらのHP経由でのアクセスの割合が一番となっています。まだまだ,全体のアクセス数としてはかなり少ないレベルですので,いろいろと工夫してみたいと思います。

    さて,今回の話,おもしろいですね。アイ・アールジャパンホールディングスを社長様に紹介できたのはよかったですね。
    自分におきかえてみても,まわりには(家族もあまり)一切株の話はしません。会社で株の話をするとなると,おそらく「株,やってるの?」とか,競馬,パチンコやってるみたいな反応になると思うんですよね(競馬のおもしろさは否定しませんが)。株の売り買いで,儲けたり損したりするギャンブルやってるヤツってかんじで。ですから,

    >一般の人と株の話しをする時に、長期投資だの成長株だのと言っても通じない。

    は,本当にそうだと思います。また,会社の方に失礼になるといけませんが,

    >「何かオススメの銘柄ある?」

    ときいてくる時点で,私などからすると株式投資の一番面白い部分を放棄してることになると思うんですよ。何かの情報をたよりに,また人の投資先を自分なりにまねて投資先を選ぶというのは,もう全然ありだと思いますが,一番いいのをピックアップして教えてというのは,株式投資の魅力を理解しようというつもりはなくて,手っ取り早く設けさせてという感じがして少しいやですね。
    自分のお金を,全く自分の裁量で判断し,投資したり売却したりでき,儲かるも損するも全て自分に返ってくる株式投資のおもしろさ,もっといえば長期投資の魅力を日本の多くの方に知ってほしいものですが,現状,自分のまわりでもまだまだと感じることは多いですね。

    以上,今回も長々失礼しました。

      • 圭壱
      • 2019年 9月 02日

      やまゆさん、今晩は。

      リンクの件、アクセス増えたのなら良かったです。
      当ブログももう少し増える様、頑張りたい所です。

      記事のご感想、ありがとうございます。
      別の社内の人間と話した事もありましたが、やはり同じくギャンブルとしてというか
      買ったら後は、ひたすら売るタイミング待ちみたいな手法が多い様です。

      日経下がってタイミング間違えたーなどと言っている中で、数年も持っているなどと
      言うと、もう本当に異質の存在の様に見られます。

      銘柄選びでは、取っかかりとしては身近な人に聞いたり雑誌に掲載された銘柄を自分
      なりに咀嚼して買うのもありだとは思いますが、やはり仰る様に、自分で輝く銘柄を
      見付けるのが一番良いし、文字通り何から何まで自己責任であり失敗しても誰も恨め
      ませんから、少なくとも自分自身が投資家として成長できます。

      皆が、そういう方向に向かってくれると良いですね。

管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

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