2317 システナ が昨日4月20日の正午、18年3月期業績予想の上方修正を発表した。
指標毎の修正状況は下表の通りとなった。
前回予想 | 今回予想 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 492.53億円 | 543.20億円 | 50.67億円 | +10.3% |
営業利益 | 44.04億円 | 51.68億円 | 7.64億円 | +17.3% |
経常利益 | 44.16億円 | 51.42億円 | 7.26億円 | +16.4% |
純利益 | 30.11億円 | 35.36億円 | 5.25億円 | +17.4% |
修正理由として、売上高はソリューション営業で大規模なPCの入れ替え案件の売上を
計上したため、各利益はソリューションデザイン事業を中心に単価の上昇が浸透し
利益率が向上したためとしている。
同社はPCのキッティング・移設サービス(マスタPCの要件調整・設計・設定・テストから
現場で使用するPCの設定量産・展開・配付および既存PCの回収まで)を展開している。
マイクロソフトは定期的に新OSを発表するし、古いOSとなったPCはセキュリティ的に
脆弱となり、企業に大きなダメージを与える個人情報の詐取に繋がるリスクがある。
したがって企業は嫌々ながらも、定期的にPCに投資しなければならない時代なのである。
全国展開している様な大きな企業から受注すれば、基本的には従業員の人数分のPCの
入替えプロジェクトとなるため、大きな受注金額となる。
しかしそれなりの規模の企業が全従業員のPCを入替えるのは、中々大変な作業である。
個別ソフトのインストールや各種設定などPCの仕様も企業独自のものになっているのが
普通であり、その仕様にあったマスタPCを作成し、業務に影響が出ない様な方法や
スケジュールで展開しなければならない。
また各PCの情報(機種名、S/N、MACアドレス、IPアドレス、インストールソフト等)や
貸与情報(設置場所、フロア、使用者ID、氏名等)を収集し、物件・資産としての管理も
行える様にしなければならない。
それなりのノウハウが必要な事業であり、受注すれば利益に繋がる商売なのである。
ITに関しては何でもこなしている、同社ならではのサービスである。
さて昨日の取引であるが、正午の発表を好感して後場はカイ気配でのスタートとなった。
画像出所:YAHOO! JAPAN
しかし寄り付いた 4,420円が高値となり、大きな上髭を付けてその後は急速に値を崩し
結局大引けでは 4,165円、前日比 +205円(+5.18%)に留まった。
今週は先週に続いて軟調な値動きが続いており、結局は自律反発の域を出なかった。
地合がもう少し良ければ反応もまた違ったであろう。
残念ではあるが、決算発表に向けて地力を温存したと考えれば良い。
続いて同社の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが
下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
純利益は2017年3月期は前期比 ▲2.3%での着地となったが、2018年3月期は期初 +37.1%の大幅な
増益予想で株価はこれを好感して上伸。
実績は1Qは +46.9%、2Qは +44.9%、3Qは +60.8%で全て確実に増益で着地し、株価は全て点火。
そして今回、期末予想を従来の +37.1%から更に +60.9%に上方修正である。
株価は今回は点火とはならなかったが、上方修正で予想EPSは 123.46円 → 145.00円となった。
これにより、予想PERは 28.72倍と再び30倍を割り込んでいる。
今回期末配当予想は 25円を据え置いたが、2月1日の3Q決算発表と同時に従来予想の 21円を 25円に
増額し、上期実績 21円と合わせて通期で 46円の予想に引き上げている。
この時点での年間配当性向は、46円 / 123.46円 = 37.259% となる。
蛇足ではあるが、仮に今回修正したEPSで同一配当性向を維持すると仮定すると、年間配当金額は
X円 / 145.00円 = 37.259% X ≒ 54円 となり、期末配当は 33円となる。
期末配当を更に8円増配ともなれば、マーケットにはそれなりのインパクトを与えられそうである。
同社はそんな私の勝手な想いを叶えてくれるだろうか。(敢えて温存したと思いたい。)
何れにしろチャートの形からこのままアイドリングを続け、5月9日に予定されている決算発表を
受けてのアク抜けを期待したいが、果たしてどうなるか。
また今週17日には、5月に東京ビックサイトで行われるAI・RPA・チャットボット等業務自動化
ソリューションの専門イベント「Japan IT Week 春 2018」に3種類のRPAツールソリューション
およびチャットボットを出展する事を発表している。
画像出所:株式会社システナ
1.WinActor
比較的老舗のGUIによる開発可能な万能型RPAソリューション
2.ROBOWARE
Javaを初めとした複数の言語で一から開発可能なRPAソリューション
3.ASTERIA WARP Core
プログラミング不要でデータ連携機能に特化したRPAソリューション。
4.CoCobox
来場者を想定したQ/Aを学習済のオリジナルチャットボット。
3月28日にその名も 6572 RPAホールディングス がIPOし話題となっているが、システナも
RPAソリューションには抜かりなく対応している。
RPA関連銘柄として市場に認知される様になれば、もう一段その評価も上がると考えている。
そういった短期的な期待先行の市場評価にも期待しているが、何れにしろ同社は今後も長期的に
大きな成長を遂げて行くと考えている。
2010年に旧カテナを合併した様に、今後また成長に向けて大きなM&Aの可能性もある。
大きな夢を抱いて、今後も長期的に株主として応援していくつもりである。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00227]
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