数年前より、次第に浸透して来たサブスクリプションビジネス。
今や花盛りであり、中小・大手交えて様々な製品・サービスで採用されている。
以下は、その一例である。
_・Amazon Prime(通販)
_・Araeru(コインランドリー)
_・Microsoft Office 365(クラウドサービス)
_・Hulu(動画配信)
_・Dyson Technology +(家電)
_・MECHAKARI(ファッション)
_・KINTO(クルマ)
クルマを売るのが仕事であるトヨタ自動車までが、「まだ車買ってるの」とCMを流して
サブスクリプションサービス「KINTO」を宣伝している。
サブスクリプションサービスの市場規模は、どの位なのであろうか。
シンクタンクの矢野経済研究所によると、2018年度のサブスクリプションサービスの
国内市場規模は約 5,627億円、そして2023年度は約 8,623億円と予想している。
画像出所:矢野経済研究所
グラフの伸び率は急激という程でもないが、それでも年々増えて行く予想である事に
変わりはない。
今後もサブスクリプションサービスの市場規模は伸び、新しい企業の参入が継続して
行われる様になるのであろう。
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それでは今なぜ、サブスクリプションビジネスがもてはやされるのであろうか。
戦後そしてその後の高度成長期時代、人々はモノに憧れた。
そしてその憧れが、人々の活動の原動力となった。
戦後の庶民の憧れである「三種の神器」(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)は
やがて「3C」(カラーテレビ・クーラー・カー)となった。
人々は一生懸命に働き、これらの憧れを手に入れて生活水準が向上していった。
そして経済成長は80年代後半に入るとバブルに突入し、土地や株価の度を超した高騰の
挙げ句に最後はハジケた。
1990年以降の日本は万年デフレ状態となり、人々は閉塞的な空気に包まれた。
この間、人々の心の中に次第に変化が現れる。
モノを所有する事にこだわらない、新しい考え方への移行である。
「モノ」から「コト」へ---
モノを所有するには、相応のコストがかかる。
そしてモノの価値は、時間の経過とともに確実に減少して行く。
モノを所有する事は、即ち自分がそのモノに身も心も縛られている状態である。
次第にこの事に気が付いた人々が、モノに縛られず自由に生きたいと考える様になった。
従来とは異なる、全く新しい価値観の誕生である。
サブスクリプションサービスは、単なるブームではなさそうである。
それはやはり、こうした人々の価値観の変化が根底にあるからである。
90年代にヤフーを始めとするインターネットサービスが始まり、2000年のITバブルに
繋がった。
バブルは結果でありオマケであるが、インターネットサービスは後戻りしないし
無くなる事はない。
サブスクリプションサービスも同様で、このサービスが無くなる事はもうない。
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次に、企業がサブスクリプションサービスを導入する企業のメリットは何か。
1.顧客の確保のし易さ
__販売するのと比較してサービス利用料は低いため、数多くの顧客を確保出来る。
2.継続的な売上の確保
__サービス利用料として利用者から定期的な収入が見込めるため、以降は定期的な売上が
__臨めるストックビジネスの要素を持っている。
3.顧客データの蓄積
__同一顧客が長期に亘って契約を継続するため、その間のサービス利用状況データを
__容易に蓄積出来る。
人々がモノを所有する事に魅力を感じなくなった現在、企業にとりサブスクリプション
サービスは低価格で顧客の心を捉え、安定的に売上が立つ魅力的な形態なのだ。
2と3は「顧客との継続的な関係」の結果として得られるものであり、サブスクリプション
サービスの一番の特徴といえる。
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それでは、サブスクリプションサービスに関連する投資先は何があるだろうか。
上場企業でサブスクリプションサービスを展開しているのは、先程のトヨタ自動車など複数ある。
しかしサブスクリプションサービス自体を展開する企業よりは、それに必要なインフラを
提供している企業に注目したい。
サービスのプラットフォームを提供している企業としては、4381 ビープラッツ がある。
同社は、サブスクリプションビジネスを始める際に必要な利用規約、契約、発注、請求等の
管理をシステムとして提供するサービスを展開している。
2018年4月に東証マザーズにIPOしたばかりの、まだ無配の成長企業である。
サブスクリプションサービスを始める企業は、同社のパッケージサービス「Bplats」を
採用する事により、短期間でのサービス開始を実現する事が出来る。
同社の売上はストックビジネス型であり、「Bplats」を採用する企業に比例して増えて行く。
同社の2020年3月期の事業方針は、下記の通りである。
「BtoB向けサブスクリプションプラットフォームとして市場での存在感を確固たるものとし、
_デファクトスタンダードの地位を確立する」
この文言は、成長企業としての大きな可能性を秘めている。
そしてこの目的達成に向けて、これまで同社は数多くの協業や出資を実行している。
2020年3月期についても、これまで下記の通りとなっている。
ビープラッツ株式会社 2020年3月期 第1四半期決算説明資料
業績については今期1Qは赤字であるなど、まだまだ種蒔きのステータスである。
しかし売上高は毎期確実に増えており、成長企業としての礎は満たしている。
最後に株価について確認すると、週足チャートは下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は今年に入り、下落トレンドが続いている。
値動きは荒く、現在でも予想PERは100倍を超えている。
それでも、サブスクリプションサービスにおけるプラットフォームを抑えている
同社への期待は大きい。
何れ機会を見て、投資したいと考えている。
勿論、その成長を取り込むべく長期投資の対象としてである。
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[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00509]
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