6087 アビスト が11月13日の正午、2019年9月期・本決算を発表した。
指標毎の着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 91.28億円 | +4.2% | 90.77億円 | +100.56% |
営業利益 | 12.96億円 | ▲18.9% | 12.90億円 | +100.47% |
経常利益 | 13.51億円 | ▲16.6% | 13.43億円 | +100.60% |
純利益 | 9.49億円 | ▲11.5% | 9.18億円 | +103.38% |
通期予想は7月10日に下方修正しており、その数字は守っての着地となった。
しかし終わって見れば、2桁の減益となった。
1.設計開発アウトソーシング事業
_・売上高 +3.8%、営業利益 ▲5.7%
_・技術者稼働率は、高水準で推移。
_・従業員の待遇見直しにより、人件費が高騰。
2.3Dプリント事業
_・売上高 ▲8.7%、営業損失に転換
_・事業の本格立ち上げ時期が、想定よりも遅延。
3.美容・健康商品製造販売事業
_・売上高 +10.8%、営業利益に転換
_・水素水に加え、美容・健康商品の取扱いを開始。
4.不動産賃貸事業
_・売上高 +92.9%、営業利益 +44.4%
_・新規事業用不動産が、新たに稼動。
メインのアウトソーシング事業は、人件費の見直しにより営業減益に。
その他3事業は、まだまだこれからというスタートアップの位置付けである。
今期は自動車業界の環境を反映して、中々厳しい状況であった。
また、同時に発表した2020年9月期の業績予想は下表の通りとなった。
市場のコンセンサスも併記。
会社予想 | 前期比 | IFIS | 前期比 | |
売上高 | 97.49億円 | +6.8% | 92.20億円 | +1.0% |
営業利益 | 11.90億円 | ▲8.2% | 10.50億円 | ▲19.0% |
経常利益 | 12.36億円 | ▲8.5% | 10.80億円 | ▲20.1% |
純利益 | 8.58億円 | ▲9.5% | 7.30億円 | ▲23.1% |
自動車および同部品業界は「100年に一度」の急速な技術革新が進展しており、
業界の設備や研究開発投資は、引き続き堅調に推移するものと見込んでいる。
その様な中、物作りの上流工程である設計開発の技術者ニーズは引き続き増えると推察。
一方、取引先の働き方改革に伴う残業抑制により、工数への影響を注視する必要がある。
今後の見通しは、景気に不透明感があるものの緩やかな回復基調で推移すると想定。
自動車業界の設計技術者および、設計請負業務の需要も堅調に推移すると予測しており
設計開発アウトソーシング事業において増収を見込んでいる。
・・・しかし、増収減益を見込んでいる様だ。
そしてコンセンサスは会社より更に厳しく見ており、2桁の減益予想となっている。
今期は、非常に厳しい中でのスタートとなる。
期初が一番悲観的で、環境の改善により四半期毎に上回っての着地を期待している。
_
<中期経営計画ローリング>
今後3年間の、中期経営計画を発表。
2022年9月期は、
_・売上高___114.70億円
_・営業利益__14.00億円
_・経常利益__14.20億円
_・純利益_____9.70億円
純利益は 2018年9月期の実績(10.72億円)に届いていないため、これを超過出来る
様に是非とも頑張って頂きたい。
_
<配当政策の変更>
配当政策について、下記の通り変更を発表。
結当期純利益の 35%程度の水準(配当性向 35%程度の水準)で毎期配当していく
__↓
結当期純利益の 35%以上(配当性向 35%以上)で毎期配当していく
唯一といって良い位の明るいIRであるが、今後も増配を期待しながら業績の成長を
待ち続ける事としたい。
__
次に、株価の動きについて確認してみる。
同社株式の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移は、下記の通りである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は中期的に下落トレンドが続いていたが、漸く下げ止まったのだろうか。
2018年6月に株価 4,640円で投資した株式は、1年半で▲40%程度の含み損となり
長期投資PFを構成する 18銘柄の中で一番悪い。
今回の決算発表当日の終値は、前日比 ▲32円と 1%台の下落率で済んだ。
マーケットは今期の2桁減益を織り込んだのか、それとも期中に業績が上振れすると
予想しているのか。
何れにしろ、現在の私にはもはや失うものは何もないため、引き続き毎年配当を
受領しながら、長期で業績の回復を待つつもりである。
アウトソーシングの流れは今後も変わる事はなく、自動車産業はその形を大きく
変えてもなくなる事はない。
今後も長期的には成長して行く事を期待しており、その姿を追う事にしたい。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00527]
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