私の様な長期投資家にとって最も頭を悩ませるのが、中期トレンドの動向である。
よくトレンドには逆らうな、と言われる。
下げトレンドの中でどんなに頑張って買い下がりを続けても、結局その波に飲み込まれ、
トレンド転換するまでに軍資金が尽きてしまい、万事休すに陥る事を指していると思われる。
私もトレンドに逆らって売買を行い、痛い目に遭う事を度々経験している。
旧ブログ開設の少し前の例を挙げると、4746 東計電算 である。
下記は、私が買う少し前から直近までの週足チャートと中期トレンド、及びその間の純利益に
関する発表とその動向である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
私は同社の株を2016年1月に購入した。 同社は12月決算期で配当は年1回である。
配当落ちも済み、1月に入りそれまでの上昇トレンド中の下限に落ちてきた所で買ったのである。
この時点では、引き続き上昇トレンドが継続し、そのまま含み益が順調に拡大する算段であった。
ところがぎっちょん、そんなに現実は甘くはなかった。
相場の神様は、ほくそ笑んでいたに違いない。
既に12月初めの 2,470円を天井に、下落トレンドに転換していたのである。
そして肝心の業績が、それに追い打ちをかける。
下落トレンドに入った後の2月に発表された2015年12月期本決算は100%で着地となったが、
2016年12月期の予想純利益が ▲1.2% と、僅かばかりの減益であった。
しかし、これが絶大な効果を生んでしまう。
元々下落トレンド中で投資家が先行きに弱気になっていたところに、この決算に過剰反応し
2週連続で大きく下げてしまった。
そして一旦 2,083円を天井に上昇するも、5月発表の1Q決算の ▲13.0%と通期予想の ▲2.8% の
下方修正を受けて、引き続き下落トレンドが継続。
そして 2016年6月に 1,653円でようやくコツンと当たった。
そこからは2ヶ月ほどモミモミしたが、8月発表の2Q決算の ▲12.5%には反応せず、何かが
吹っ切れたのか(?)、遂に上昇トレンドに移行。
11月発表の3Q決算の ▲4.9% を無視するかの様に上昇トレンドを継続し、
年末の配当落ちも僅か1ヶ月で埋める力強さを発揮。
2月発表の2017年12月期予想の+10.3% には大きな反応はなかったものの、5月発表の1Qの+23.9%
という着地後は上昇トレンドに一層の弾みが付いて一気に駆け上がり、8月の3Q決算発表後は一息
付いているのが推移である。
一体何なのだ、この間の株価の動きは。
株価の動きを予測するのは本当に難しい。
下落トレンド中には減益決算に過剰に反応し、底練り中は何も反応しない。
そして一旦上昇トレンドに入ると「ああわかった」とばかりに逆に弾みが付く。
しかし株価に先見の明があるとすれば、2017年12月期の好調を2016年の秋頃には先読みして
動いていたとも考えられる。
果たして本当にそうなのか?
しかし株価の推移を見る限り、その様に解釈したとしか考えられない。
勿論全体相場とか外部要因だとか色々な要素が絡むので一概には言えないのだろうが、やはり、
「え、そんなに下げるの」
↓
「あ、大丈夫なのね、いいんだ」
の後は明らかに動きが別人なのである。
一人のホルダーとしてこの間の株価の推移を肌で感じて来たが、弱々しい動きから一転、地味な
この銘柄なりにではあるが強さが全く違う。
これを教訓とするのならば、「上昇中は中途半端に下げた所は逆に要注意」となるのだろうが、
うーん、私には難しいかもしれない。
ほしいと思った銘柄が底練り中であれば一番良いのだが、毎度毎度そういう訳にもいかないのが
現実である。
株価の動きは本当に不可解で難しい。
そこがまぁ、面白いしチャンスもあるしやり甲斐もある所なのだけれど。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00059]
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