<Written by 圭壱(Twitter : 圭壱@長期投資)>
本日6月15日、4967 小林製薬 に新規で投資した。
4月27日には実質的な上場来高値となる 11,250円を付けたが、翌28日に発表された
1Q決算の経常利益 ▲3.4%を嫌気し、1万円以下に落ちていたので拾う事にした。
始値 9,800円で約定。高値は 10,020円まであったが、日経 ▲774円では流石に戻され
始値と同じく 9,800円、前日比 50円高で引けた。
今期 EPSの会社予想は 255.88円、予想 PERは 38.3倍。
配当予想は 34円+41円=75円、配当性向は 29%、税込み配当利回りは 0.76%。
成長株ならではのパターンで、利回りでは全く買えない。でもまぁ良いのである。
配当ポリシーとして、配当性向を見据えながら配当金額を増やすことにこだわっており
上場以降の増配を続けていく考えとしている。
ここからスタートし、長期的に利回りが上昇し、何れ「自分にとっての高配当株」に
変貌する事を期待したい。
私がこれまで投資した銘柄は一般の人には知られていない銘柄ばかりであったが、
今回は一転、初めてメジャーな銘柄への投資となった。
しかも、初めてのコンシューマー向け製品のメーカーである。
適当な推測だが、この企業を知らない日本人は恐らく数パーセント程度であろう。
製造している製品も、もはや説明不要なほど日本人に浸透している。
同社製品のユーザーには奥様が多いと思うが、身近な企業の中にも類い希な成長企業が
ある事を知ってほしいと思う。
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<強みと成長>
毎日の生活に必要な日用品を事業スコープとしながらも、徹底したニッチ領域に
絞り込む事で、競合他社に侵食され難く安定した収益を生み出し続けている。
_・アイデア提案件数:年間5.2万件(新製品:3.5万件、改善:1.7万件)
_・総ブランド数:153
_・国内シェアNo.1ブランド数:43
今後の成長の源泉は、何と言っても海外での拡大と浸透による現地売上の増加だ。
2022年までの年平均成長目標は、中国:20%、東南アジア:10%、米国:5%である。
2019年度における海外での売上げ比率は 15%台に過ぎず、伸び代は大きい。
中期経営計画では、最終となる 2022年度は同 18%以上を目標としている。
また以前よりM&Aに積極的であり、国内及び中国と米国で 2022年まで300億円の
投資枠を設定。海外企業の買収を効果的に進める事で、成長を加速させる考えだ。
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<これまでの業績>
これまでの純利益は、22期連続で最高益を更新中である。配当も 21期連続で増配中。
当然ながら、今期予想も最高益(+4.5%)及び増配(+2円)となっている。
画像出所:小林製薬株式会社 2020-2022年 中期経営計画
途中、2016年にそれまでの3月期決算から12月期決算へと決算時期を変更しているが、
この時の 9ヶ月変則決算期でさえ、純利益は過去最高益で乗り切っている。
時価総額 8,000億円のこの有名企業は、ニッチ分野に長けた立派な成長企業なのだ。
主な海外進出は、98年に中国、98年に米国、02年に香港、09年にシンガポール、
11年にマレーシア・台湾、12年にインドネシア、13年にオーストラリア・タイなど。
「”あったらいいな” をカタチに」し続け、世界を舞台に成長を続けている。
2030年のありたい姿(目標に近い理想か?)
画像出所:小林製薬株式会社 2020-2022年 中期経営計画
各国で毎年新市場を1つ創造し、売上高 2,800億円を目指す。
その内の国際事業は 900億円を目指し、「国際ファースト」として力を入れる。
中国や東南アジアを中心に「あったらいいな」を展開し浸透・拡大を目指す。
また北米や中国を対象に、OTC医薬品事業の拡大も平行して行う。
2019年12月期の売上高は 1,680億円、この 1.7倍となる。
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<3ヵ年中期経営計画>
経営戦略の骨子として、ESG(環境・社会・企業統治)対応に力を注いでいる。
ESGの視点で経営力を磨き、スコープ毎に重要課題を掲げて取組みを強化している。
EのKPIとして森林認証紙 100%の維持、SのKPIとして女性管理職 16%を掲げる。
その他、2022年度の主要KPIは業績・財務面と合わせ、下表の通りとなっている。
画像出所:小林製薬株式会社 2020-2022年 中期経営計画
資本指標として従来の ROEに加え、2019年度から持続的な企業価値向上と利益成長の
両立を目指し、ROICにも取り組んでいる。
従業員の定期健診と再検査時の受診率まで掲げている企業は、珍しいのではないか。
会社にとって重要な従業員を大切にする事は、全ての企業にとり重要な事である。
また統合報告書も、日本語版と英語版で 2017年度から策定している。
経営の透明化による信頼性の確保に向けて、やるべき事が行われている。
コーポレート・ガバナンスについては、社外取締役によるインタビューが統合報告書に
記載されている位であり、一連のプロセスが効果的に実行・評価されている印象である。
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<財務・資本効率の状況>
前期自己資本比率は 74%、事実上無借金、営業CF +200億円、保有現金等 562億円。
ROICは 10%、ROEは 11%、売上高営業利益率は 15%。
財務状況は全く問題ないし、資本効率も今後更に改善されていくだろう。
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<株式の状況>
前期末時点での外国人投資家による保有株比率は 21%(※)台と比較的多いが、今後の
海外進出と現地への浸透が進むにつれ、彼等の保有割合は高まって行く事が予想される。
※マサチューセッツ・ファイナンシャル・サービセズ・カンパニー(米国)が約 8%を
保有しているとの情報も当社未確認ながらあり、これを加えると約 30%となる。
一方で浮動株比率は 5%程度と小さく、今後も安定した成長を続けると無いものねだり
の状態となり、株価は割高さを維持しながら強含みで推移して行くと考えている。
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<投資に当たって>
当社は様々なアイデアを収集し、現実に売れる製品に落とし込む能力が抜きん出ている。
消費者の悩みに寄り添い、スローガンである「”あったらいいな” をカタチにする」を
愚直に継続し続けている。
その積み重ねが、22年に亘る最高益の連続更新という結果に現れているのだろう。
株価は中期的に安い位置ではなく、相場次第では 1~2年程度は含み損かも知れない。
しかし 4年後もそうかと言われれば、個人的には間違ってもその様な事はないと思う。
経営指標は盤石で問題はなく、稼ぐ力にも死角はない。そつなく強い企業である。
増益率は穏やかではあるが、少しずつ成長し後で振り返ると結構成長して来たなぁ
と思える様な成長を見せてくれる事を期待している。
敢えて目標を挙げるとすれば、4年でダブルバガー、10年で4バガー程度を想定している。
海外事業が安定して成長すれば、それ位の時価総額の成長は決して無理ではない。
今回の投資は長期で負ける気は全くしないため、気楽な気持ちで臨もうと思う。
2030年、買値に対する配当利回りと含み益がどうなっているか、今から楽しみだ。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00572]
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