日本M&Aセンター

2127 日本M&Aセンター 18年3月期本決算と増配を発表

2127 日本M&Aセンターが4月27日の大引け後、2018年3月期の本決算を発表した。
また同時に、期末配当の増額決議を発表した。

指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。

実績 前期比 会社予想 最終着地率
売上高 246.25億円 +29.1% 240.00億円 +102.60%
営業利益 116.05億円 +28.3% 113.00億円 +102.70%
経常利益 116.70億円 +28.7% 113.00億円 +103.27%
純利益 81.46億円 +31.9% 76.80億円 +106.07%

会社予想の各指標は1月30日の3Q決算発表時に売上高は12.2%、各利益は13%程度上方修正しているが、
今回何れもきっちりと達成して着地した。

2016年3月期より「2019年3月期までに連結経常利益 100億円を達成」を中期経営目標に掲げていたが
今回2018年3月期に1年前倒しでの達成となった。

当期はグループ過去最高となる649件のM&A仲介を成約した。 前期は524件であった。
また期末配当は、従来予想の 17円から 7円増配し、24円で取締役会にて決議された。

営業上の取組としては、下記2点を実施し大きな成果に繋がった。

1.3事業部制による多面的なアプローチによる案件カバー率の向上

 (1) ネットワーク事業部(会計事務所、金融機関等を中心とした情報ネットワークの統括)
 (2) ダイレクト事業部(一般事業法人、ファンド等への直接コンタクトおよびマーケティング)
 (3) 業種特化事業部(医療介護、調剤等やIT・建設・食品・製造・物流等に専門特化しアプローチ)

 <成果>

 (1) 会計事務所・地方銀行に次ぐ第3のネットワークとして、大手証券会社との協業に注力
   → 受託・成約件数が飛躍的に拡大
 (2) 潜在的顧客を掘り起こす企画営業の推進およびシステムの開発
   → 中堅企業を中心とする新顧客層の開拓に成功
 (3) コンサルタントの専門性を追求し、付加価値を高めて案件マッチング能力を向上
   → 各業界のエポックメイキング(画期的)なM&A案件への関与に成功

2.M&A総合企業へ向けた取組

 (1) 上場企業から小規模事業者までの多様な企業を対象
 (2) M&Aにおける全プロセスで付加価値の高いサービスを提供

 <成果>

 (1) 小規模事業者向けのM&Aマッチングサイト「&Biz」の案件登録・成約件数拡大に尽力
   → 飛躍的拡大を果たし一定水準を達成。 2018年4月に100%子会社「アンドビス(株)」設立。

 (2) M&Aの成功に向け、2017年4月より社内にPMI支援室を設立。 ノウハウと経験値の蓄積に努めた。
   → 2018年4月、PMIコンサルティングを行う「(株)日本CGパートナーズ」を設立。

  ※PMI:ポストマージャーインテグレーション(M&A成立後統合)
   M&A成約後に円滑に事業統合するためのプロセス。
   PMIコンサルティングは、同プロセスの活動を支援するコンサルティング事業。

その他の取組みとして、社会インフラファンドを設立。

国内の中堅中小企業の成長発展と地域活性化を担う社会インフラたるファンド運営を目指し、
2018年1月に日本政策投資銀行と合弁で「(株)日本投資ファンド」を設立した。


画像出所:株式会社日本M&Aセンター 2018年3月期 決算説明資料

M&A関連事業をトータルで推進するため、着々とグループ企業を設立している。

  
また同時に発表した2019年3月期の業績予想は、下表の通りとなった。

今期予想 前期比
売上高 267.00億円 +8.4%
営業利益 125.00億円 +7.7%
経常利益 125.00億円 +7.1%
純利益 84.60億円 +3.9%

各指標ともにお約束の、至極控えめな予想となった。
今期もまた、上方修正が楽しみな展開となりそうである。

年間配当は 実質3円分が増額され、11円×2回(株式分割前:44円相当)の予想となった。

 
最近の株価の動きを確認してみる。

同社株式の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

株価は株式分割後換算で、3月13日に付けた 3,925円が実質的な最高値である。
2月後半から、全体相場の停滞をモノともせずに上昇を続けて記録した。

その後は一度下落し、4月9日には 3,830円まで戻したがその後は下落トレンドとなっている。
今回の決算発表がキッカケとなり、トレンドの転換を果たす事が出来るだろうか。

現在の株価は、チャートを見ても非常に買い頃だとは思っているが・・・

さて今回の発表で、当社の今後が益々楽しみになって来た。

M&Aマッチングサイト「&Biz」は一定の成果を上げ、新たに子会社を設立して本格的な事業化
に乗り出す事となった。

また現状の当社の立場に満足する事なく、M&Aの双方の企業関係者を満足させる事を目指して
M&A総合企業への成長に向けた取組が行われている。

M&Aは当然の事ながら成約してそれで終わりではなく、事業を如何に素早くスムーズに譲受し
次のステップに進める事が出来るか否かが、成功の鍵を握っている。

同社のウェブサイトより。


画像出所:株式会社日本M&Aセンター

その成功に向けたプロセスとなる “PMI” の支援コンサルティングを新たな事業として立ち上げ、
子会社を通して今後行っていくのである。

これは将来の成長に向け、中々インパクトのある内容であると思っている。
大きな事業に育つ可能性が十分にあるのではないだろうか。

また中堅中小企業の発展と地域活性化を目的としたファンドを組成し、運営会社を設立した事で
今後は全国の企業オーナーを広く支援していくのであろう。

その支援を通した経営者との新たな出会いが、将来のM&A案件の成約に向けた機会を提供する
だろうという事は想像に難くない。

M&Aに関して、様々な角度で広く世の中の役に立ちたいという同社の想いが伝わってくる。
株主の立場で見ると、今後も支援を続けてその可能性に懸けてみたいと想わせる内容である。

株式投資は美人投票であり、自分では無く客観的に見て他人がどう想うかが重要ではあるが
少なくとも私はいち株主として、その様な想いを強く持ったのは確かである。

数年後の同社の成長と、それに伴う時価増額の増大が本当に楽しみである。
成長する配当と、カミさんが喜ぶ魚沼産コシヒカリを頂きながら大きな夢を追い続けたい。

[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00232]

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管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

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