4327 日本SHL が4月27日の大引け後、2018年9月期の第2四半期決算を発表した。
指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | |
売上高 | 12.86億円 | +9.5% | 26.92億円 | +47.77% |
営業利益 | 5.92億円 | +8.4% | 11.17億円 | +53.00% |
経常利益 | 5.92億円 | +8.4% | 11.16億円 | +53.04% |
純利益 | 4.05億円 | +7.6% | 7.71億円 | +52.53% |
売上高は、学生・企業ともに昨年より積極的に就職・採用選考活動が開始された背景もあり
前期比 9.5%増収となった。
サービス形態別には、下記の通りであった。
売上高 | 構成比 | 前期比 | |
プロダクト | 6.80億円 | 52.9% | 20.1% |
コンサルティング | 5.57億円 | 43.4% | ▲2.3% |
トレーニング | 0.48億円 | 3.7% | 28.8% |
各利益は前期比で1桁台後半の増益率を確保し、通期予想に対する進捗率は50%を超過して着地した。
なお受注増による外注費の増加のため売上原価が12%、ロイヤルティや人件費の増加のため販売費及び
一般管理費が10%、それぞれ前期比で増えたとしている。
同社の将来に影響を与える可能性のある事項として、2月8日に同社が使用している人材アセスメント
ツールのライセンス契約先である、米Gartner社に関するIRが出ている。
米Gartner社が同ツールを含む事業を、英Exponent PE社に売却で合意したという内容である。
これまで英SHLグループが米CEB社に吸収され、更にその後米CEB社は米Gartner社に買収されている。
そして今回、その米Gartner社が英Exponent PE社に対象ツールを含む事業を売却した。
英Exponent PE社は、ロンドンを拠点とし未公開株式に投資するファンドを運営している会社である。
“Exponent Private Equity LLP” が正式名称の様である。
同社のウェブサイトを覗いてみると、ポートフォリオのページに誇らしげに投資先企業のロゴマーク
が並び、その先頭にSHLのマークがあった。
画像出所:Exponent Private Equity LLP
注)スペースの関係上、画像は大幅に加工している。
イギリスから海を隔ててアメリカ企業に買収され、その後また古里のイギリスに戻って来た訳である。
この未公開株の運用会社が何故、当該事業を取得したのかは不明である。
今後の見通しとしては、2018年前半に当該事業の売却手続きが完了する予定ではあるが、既存の
ライセンス契約その他には変更が無い旨が表明されているとの事。
現状では2017年3月29日にCEB社と5年間の新たなライセンス契約を締結しており、ライセンス料率は
段階的に上昇する(17年3月31日まで:2.5% → 最終22年3月31日まで:9.0%)。
取得の目的や今後のライセンス料率の予定等、EPE社が何を考えているのか気になる所ではある。
次に、最近の株価の動きを確認してみる。
同社株式の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は2017年9月14日に 2,605円(株式分割後修正済)の高値を付けた後は11月までに 2,000円近辺
まで下落し、その後は1月29日に 2,382円の戻りを付け、以降はまた 2,000円の底練り状態である。
今期の会社予想EPSは約 130円であり、PERは 15倍程度となる。
年間配当は中間:32円+期末:32円(予想)であり、税引き前利回りは 3.2%となる。
割安感があるが、ライセンスに関するリスクがネックになっているのかもしれない。
当然ライセンスの発生するツールに頼るだけではなく、独自ツールの開発を平行して進めている。
将来的にはこちらの独自ツールによる収益の増大が必須となろう。
その進展に期待しながら、買値に対する税引き前利回りがもうすぐ 5%に届きそうな配当を受取りつつ
今後も長期投資を続けて行く考えである。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00233]
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