プロシップ

3763 プロシップ 2018年3月期本決算発表

3763 プロシップ が今週5月7日の大引け後、2018年3月期の本決算を発表した。

指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。

実績 前期比 会社予想 最終着地率
売上高 43.47億円 +5.7% 43.00億円 +101.09%
営業利益 14.41億円 ▲6.7% 14.17億円 +101.69%
経常利益 14.71億円 ▲6.6% 14.50億円 +101.45%
純利益 10.10億円 ▲4.8% 9.70億円 +104.12%

期初の会社予想は純利益が前期比 ▲8.6%であったので、それよりは上方着地はしている。
しかし、全ての利益指標で減益は目立つ。

期末一括の配当は、当初の想定通り 60円予想となっている。

当期の活動内容として、固定資産管理ソリューションは海外24ヶ国の現地税制対応を行い
統一した固定資産管理を可能とした。

またIFRS(国際会計基準)としてのリース会計基準を業界最速で対応し、上場企業や中堅企業を対象に
新規ユーザー獲得など積極的な営業活動を推進。 業務改善・効率化ソリューションとして提供した。

しかし一方、売上の一部で不採算案件が発生し原価が増加したとしている。

また同時に発表した2019年3月期の業績予想は、下表の通りとなった。

今期予想 前期比
売上高 46.00億円 +5.8%
営業利益 14.80億円 +2.7%
経常利益 15.10億円 +2.6%
純利益 10.40億円 +2.9%

今期の見通しとして、引き続きIFRSやグローバル対応等への顧客ニーズは高く受注残高も前期比で
5%以上増加しており、売上高は増加すると見込んでいる。

しかし高度化・複雑化する企業ニーズに応えるため製品・サービス力を強化する必要があり、関連
する投資により売上原価や販管費の増加を見込むとしている。

前期で目を引いたのは、やはり昨年10月に発表された 9759 NSD との資本業務提携である。

時価総額が5倍で財務状態も優れ、開発力のある独立系SIのNSDがプロシップに目を付け、
鈴木会長が保有する株式の一部を買取り筆頭株主となり、持分法適用関連会社化した。

両者の思惑は何で、そしてどの様にして利害が一致したのだろうか。

NSDは「新たな収益基盤として、独立性の高いサービスやソリューションの提供を柱とする非受託
開発分野の強化を推進」しており、「累計導入社数は、上場企業を中心に 4,500社を超えて」いる
プロシップの広範に亘る、特に海外企業との営業パイプや専門ソフトの技術力を利用した新しい
ビジネスへの発展可能性が魅力的であり、投資に値すると判断したのではないか。

一方、プロシップ側はどうか。

鈴木会長は、筆頭株主として自身が保有する株式の20%以上を譲渡したのである。
それなりの付加価値や、高いリターンの期待なしには出来ない判断であると感じる。

やはり売上規模が10倍以上の相手のルートに乗り、協業により製品を開発して現状より多くの
顧客に販売する事で、将来大きく成長する事が出来ると踏んだのではないか。

自身が筆頭株主から降りてでも、会社の将来の成長を願ったのであろう。
私自身は、良い決断であったと思っている。

これから将来、どの様な付加価値として現れてくるのか今から楽しみである。

次に、これまでの株価の推移を確認してみよう。
同社株式の週足チャートと、四半期決算における純利益の推移を表示したのが下記の図である。


チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY

今回の決算発表を受けた8日の取引は、前日比 +60円とマーケットはまずまずの反応であった。

四半期決算の純利益は減益を表すブルーが目立つが、2017年3月期は期初予想を大幅に超過。
そして今回2018年3月期も減益ながら期初予想は超過して着地している。

しかしマーケットは、何れもその事自体は特別評価はしていない様だ。
一番大きく評価されたのは、2017年8月に発表された東証市場第1部への変更承認であった。

そして2017年3月期 3Q決算 +13.5%発表後の上昇より評価されたのは、2016年8月に発表された
株式分割と株主優待の新設であった。

マーケットは、こういうインパクトのあるIRがお好きな様である。

株価は全体相場の波に乗り、こういったIRもあって昨年10月30日に 2,870円の高値を付けたが
2Q決算が ▲3.9%となり大きく下落。 2,470円まで戻すも 3Q決算の ▲10.0%でまたもや下落。

辛うじて 2,000円台をキープした後、3月20日・22日に謎の急騰を演じて 2,943円と高値を更新。
現在まで高値圏をキープしている状態である。

それでも今期会社予想EPS 138.13円に対するPERは19.5倍程度であり、現在の相場状況では
割高感は特に無いと考えている。

これから当社は、どの様に成長していくだろうか。
是非NSDとタッグを組んで大きな相乗効果を発現してもらい、大きく成長して行ってほしい。

引き続き、いち株主として長期投資で応援して行きたい。

[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00245]

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

管理人プロフィール

 Author : 圭壱

 Twitter : 圭壱@長期投資

 50代の会社員。

 2013年より日本株を対象とした

 成長株への長期投資を実践。

 投資先企業の活動を通じた社会貢献と同時に、投資

 資本の成長を目指す。 最終目標は経済的自由人。

 詳細は ---> 管理人プロフィール

保有株式の年末評価額 (単年率・累計率)

 2013年12月  1,560 万円でスタート

 ・2013年   1,567 万円 ( +0%

 ・2014年   1,923 万円 ( +23% ・ +23%

 ・2015年   2,297 万円 ( +19% ・ +47%

 ・2016年   2,695 万円 ( +17% ・ +72%

 ・2017年   4,739 万円 ( +76%+203%

 ・2018年   4,180 万円 ( ▲12%+166%

 ・2019年   5,988 万円 ( +43%+283%

 ・2020年   9,634 万円 ( +61%+517%

 ・2021年   6,549 万円 ( ▲32%+319%

カテゴリー

  1. 割切投資

    [割切投資] PF3銘柄を全て売却、辛くも実損は免れる。
  2. 投資方針

    目先は膠着しそうなので、IPOやセカンダリーへの投資に挑戦
  3. ポートフォリオ年間状況

    ポートフォリオ年間状況(2017年)
  4. ポートフォリオ全般

    四半期決算総括 コテンパンの市場評価
  5. 山田コンサルティンググループ

    4792 山田コンサルティンググループ ▲14%着地、20年3月期は25%増益予…
PAGE TOP