6157 日進工具 が昨日5月11日の大引け後、2018年3月期の本決算を発表した。
指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 会社予想 | 最終着地率 | |
売上高 | 97.67億円 | +10.7% | 95.50億円 | +102.27% |
営業利益 | 26.95億円 | +33.9% | 25.00億円 | +107.80% |
経常利益 | 27.33億円 | +34.9% | 25.30億円 | +108.02% |
純利益 | 19.03億円 | +34.0% | 17.50億円 | +108.74% |
経常利益と純利益は前期比で34%の増益を達成し、素晴らしい結果となった。
今期は各種製品展示会に出展し、多くの関係者へのアプローチを行った。
また各地でセミナーを開催し、既存ユーザーとの関係強化を図った。
製品はエンドミル製品のバリュエーションを拡大し、超硬製品も規格拡大等を実施した。
<製品区分別の売上高の前期比増減率>
・エンドミル(6mm以下) : 前期比 +15.9%
・エンドミル(6mm超) : 前期比 +5.9%
・エンドミル(その他) : 前期比 ▲26.8%
・その他 : 前期比 +12.4%
画像出所:日進工具株式会社 2018年3月期決算概要
エンドミルの小径比率が進んでいる。
そして生産面では、自動化比率の向上やラインの増強を実施し、生産性向上を図った。
また今後の生産・開発体制の強化に向け、仙台工場に隣接する賃貸倉庫の契約を終了し、更地にした。
老朽化した開発センターに替わる新たな建物の建設か、又は需要動向を見極めた上での新工場棟の
建設を検討している。
また同時に発表した2019年3月期の業績予想は、下表の通りとなった。
画像出所:日進工具株式会社 2018年3月期決算概要
前期の大幅増益の後だけに、極めて保守的な予想となっている。
予想はミニマムでスタートし、実績での超過を期待している。
今期の見通しとして、各顧客の環境は
・自動車関連 ・・ 自動運転化の流れが進む中、引き続き底堅く推移
・電子部品関連 ・・ スマホ向けが鈍化も、データセンターや車載向けは堅調に推移
・産業用ロボット ・・ 繁忙が続く
・半導体製造装置 ・・ 繁忙が続く
引き続き展示会や技術講習会を軸に提案営業活動を展開し、ユーザー開拓と高付加価値製品の
需要拡大に当たる。
一方で、資源価格の上昇圧力やコバルトの需要逼迫により原材料である超硬合金の相場上昇が
見込まれる他、雇用関係の改善による人手不足等、利益面での圧迫要因も想定されるとしている。
また設備投資は前期比で4割近く増え、工具研削盤や測定器等の設備増強を図るとしている。
直近での株価の推移を確認してみたい。
下図は、同社株式の昨年12月末からの日足チャートである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は3Q決算の純利益が前期比 +33%、通期 +7.4%の上方修正には大きく反応しなかったが、
翌日2月2日の証券会社による格上げと目標株価の大幅引き上げには大きく反応。
その後は 3,750円の高値を記録したが、そこからは上下に動きながらも中期的には下落して
結局「行って来い」となっている。
しかしこの値動きにより、再上昇に備えたエネルギーは蓄積されつつあると考える。
いわゆる「三角保ち合い」の交差まで間もなくという所まで来ている。
今回はこの決算発表を受けて、マーケットは素直に反応しそうな気がするが・・・
果たして週明けはどの様な展開になるのだろうか。 楽しみに待ちたい。
今期は原材料の価格上昇や設備投資の増強など利益を圧迫する要因もあり、また新工場等の
建設構想もある。
投資と利益のバランスを上手く取り、利益を確保しつつも将来に向けて成長して行ってほしい。
引き続き、長期で投資して行きたいと考えている。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00246]
この記事へのコメントはありません。