3817 SRAホールディングス が先週5月10日の大引け後、2018年3月期の本決算を発表した。
指標毎の最終着地状況は、下表の通りとなった。
実績 | 前期比 | 会社予想 | 最終着地率 | |
売上高 | 394.10億円 | +0.7% | 405.00億円 | +97.31% |
営業利益 | 41.75億円 | ▲0.1% | 41.55億円 | +100.48% |
経常利益 | 47.62億円 | +13.1% | 41.55億円 | +114.61% |
純利益 | 20.60億円 | ▲22.2% | 17.79億円 | +115.80% |
売上高と営業利益は前期とほぼ同じ、経常利益は 13%増益、そして純利益は 22%減益で着地した。
3Q期間中に子会社 SRA と 7552 ハピネット で生じた訴訟に関し、12億円余りの支払いを
命じられ、特別損失が発生したのが最後まで響いた。
画像出所:株式会社SRAホールディングス 2018年3月期決算短信
それでも、下方修正後の予想に対し純利益は 115%と超過して着地したのが救いである。
当期の結果はこの特別損失の発生につきるため、再発防止には徹底して取組んでほしい。
また同時に発表した2019年3月期の業績予想は、下表の通りとなった。
なお、中期経営計画(本来は18年3月期まで)の本来最終年度目標とそれに対する予想達成率も記載。
今期予想 | 前期比 | 中計(当初18/03目標) | 予想達成率 | |
売上高 | 400.00億円 | +1.5% | 400.00億円 | 100% |
営業利益 | 44.00億円 | +5.4% | 50.00億円 | 88% |
経常利益 | 44.00億円 | ▲7.6% | 50.00億円 | 88% |
純利益 | 28.00億円 | +35.9% | 35.00億円 | 80% |
経常利益は前期比で 7.6%の減益、純利益は前期は特別損失分を除くと 30億円程度であり、
それと比較すると実質的には微減益の予想となった。
本来、今期は挽回の意味を含めて頑張ってもらいたい所である。
今後の見通しとして、
・今後も既存事業の持続的成長と生産性向上、自社IP製品・サービス活用による高収益モデルの
確立と海外ビジネスの推進に努める。
・2015年6月に発表した中期経営計画は、期間を延長する。
・中期経営計画の達成を目指し、今期の業績見通しを上記の通り予想している。
中期経営計画(2016年3月期~2018年3月期)をいつまで延長するのかは記載が無い。
何れIRが出ると思うが、今期の予想達成率は純利益で80%なので来期か再来期なのであろう。
延長するのであれば、本来は同時に中期経営計画を見直し、その期間を明示するべきであると思う。
取って付けた様な表現であり、株主や投資家に対する説明が少し甘いと感じる。
配当予想は前期の創業50周年記念配 10円が落ち、今期は普通配当が5円増配のため通期合計では5円の
減配となった(敢えて、減配と記す。 前期は合計 110円の見込み、今期は 105円の予想)。
2013年からの今回の投資で、例え記念配落ちとはいえ合計での減配は当社が初めてである。
まぁ買値に対する税引前配当利回りは 4.9%であり、文句を言う筋合いはないが。
次に、これまでの株価の推移を確認してみる。
下図は、同社の週足チャートおよび四半期決算における純利益の推移を表したものである。
チャート出所:YAHOO! JAPAN by WORKS TECHNOLOGY
株価は2016年は 2,000円~2,700 円程度の範囲で動いていたが、2017年に入ると2017年3月期の
3Q決算が 17%増益の発表を受けて一段上がり、3,000円程度まで上昇。
そして2018年3月期の1Q決算が 30%増益の発表で何故か 2,600円レベルまで下落後、上昇モードに
入り2017年末には 4,000円超えを達成した。
しかしその後の訴訟に関する特別損失発生の発表には反応しなかったものの、3Q決算で現実を
見せつけられると大きく下落し、少し切り返した後はそのまま 3,000円割れまで下落。
そして今回の決算発表の翌日となる5月11日は、75円の上昇で乗り切った所である。
先ずは投資家の心証が良くなり、再び 4,000円台を奪還する時が来るのを待ちたい。
今期は様々な業界の顧客を相手に有益な案件を1件でも多くこなしてもらい、前期の損失分を
取り戻して余りある業績を出してほしい。
今後の成長と安定した配当利回りの上昇を期待して、引き続き長期で投資を続けていく。
[成長株への長期投資~経済的自由人を目指して~ 記事 No.00252]
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